第24話:教育格差が人材育成を阻害する ③

こういう人たちの増加やこのような事が要因となって引き起こされる生活困窮や社会的孤立等を避ける意味でも、親から子へ起きている現状が負の連鎖として引き継がれていってしまい、同じ事が同じように続くことを防ぐためにも早急な対策をしないといけないと思う。


 日本の場合はこれまでも核家族化が進んできた。その一方で核家族化の増加に伴う両親共働きの家庭や離婚や別居、未婚で子供がいる片親家庭なども増加してきた。


 もちろん、これが直接的な最大要因とは言い切れないが、格差を助長している要因の1つとして考えられるだろう。そして、世帯年収も核家族化の急速な進行により、安定感を失った状態であるといえる。


 なぜ、核家族化が進むのだろうか?


 1番の背景として“両親の教育的価値観や子育て論が世代間の認識の齟齬”が挙げられるだろう。


 これは世代によって子供に求める物事の解釈や知識・理解などの学習面、将来的なプランなどその子供に目指して欲しい中間目標などが異なっているため、両親の考え方が尊重される環境を自らが作りたいと思ったこと、以前に比べると女性の社会進出も進み、家庭における夫婦間の経済的事情が大幅に改善されたことなどプラスの側面が多く影響していっている印象がある。そのため、ある時期から少しずつ若年層の世帯独立による自立が目立ってきており、これが人口数の少ない地方においては過疎化などの大きな問題につながっているのだろう。


 一方で、核家族化が進んだことで“子供の孤立”や“経済格差によるいじめ”なども顕著になっている。その原因と言われているのが“家庭内のコミュニケーション不足”や“成功体験の少なさから来る自尊心の不安定”など子供の発達に影響する事象書き印となっている事例・事象も多角的な面から見ると発生している。


 特に現代は世代によって個別価値観が異なっていて、その人の価値観に合わないとそのコミュニティから排除されてしまうこともしばしばだ。そのため、常に社会の流行や周囲の動向などを気にかけていなくてはいけなくなり、親の経済力の格差が顕著になっている現代において問題視されるべき部分であることは言うまでもない。


その他にも親の教育観が時代相応の考え方をしていないことや多様性を重視する家庭教育が不十分の場合、親から教えられている価値観を重視することで、自分の価値観とは違った価値観がこのような行動に出ることも十分に想定される。


 では、このような事態を避けるためにはどうすることが必要なのか?


 私は“学校における多様性教育”が必要なのではないか?と思うのだ。これは若い世代が公共の場で多様性を主張する機会が増えてきたが、本質まで分かっている人と本質まで分かっている人に追随(=追従)する形を取るそうではない人の差が顕著に表れ始めているように感じるからだ。もちろん、前者が多いのなら強化する必要はないと思うが、後者が多いのならその人たちにどのように自分の意見を持ってもらえるか、どのように身近に感じてもらうかが大事になってくる。


 そういう小さな積み重ねが社会を大きく変えるための準備として必要になってくる。しかしながら、小学生の段階で一定の多様性教育が行われていないことで、自分と違っているもしくは自分が経験したことがない光景を見るとその光景に対して拒否反応を示すようになる。その結果、子供たちが自分と違うというだけでその子に対していじめなどをして自分の周囲から排除する動きに変わる。そして、やられた相手の子は学校で孤立してしまい、学校に来られなくなるという負の連鎖が起きる可能性がある。これは主にその子の“発育環境”や“兄弟・姉妹関係”が影響していると言われているが、私は母親の妊娠時に出るホルモンも影響しているのではないか?と思うのだ。


 これはあくまで私見ではあるが、母親の持っている男女ホルモンの比率で男性ホルモンが強いと女性らしくなり、女性ホルモンが多いと男性らしくなるという関係性があるのではないか?という疑問を持っている。

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