第23話:教育格差が人材育成を阻害する ②

私はコンプライアンスを重視するならどこかできちんと適正な教育を受けられるように環境を整備することや厚生労働省などの各省庁で必要な対応がある場合には特定省庁以外でも外部介入できる仕組み作りを開始しないといけないと思う。なぜなら、昨今、自分の意思と反する形で職を失う人、再就職を希望しているにもかかわらず就職困難になってしまう人など小さなマイナスが次第に大きなマイナスになるからだ。そして、企業や店舗なども良い人材を求めすぎた結果、人材不足など会社の業務効率の低下に繋がってしまうことになる。


 そして、日本で定着している“学歴差別”を変えないと学歴で給料などを判断されているわけだから、経済格差は減らないむしろ増えていくと思う。


 そう思う理由として日本が個人の生活よりも会社の業績や年商などを重視する“利益至上主義”であること、“良い人材には投資して、そうではない人材は安く使ってもいい”などの優劣主義的価値観を持っている人が多いように感じる。そして、そういう人たちが増えたことにより社会全体が柔軟性に欠けた状態になっている。


 このような事が起きる背景に今の日本経済における不均衡が発生し、その不均衡が格差を助長するという完全なブラックゾーン現象が起きているように感じる。ブラックゾーン現象というのは私が作った造語だが、この意味として“相対的価値の崩壊と個別価値の格差拡大による個人所得における生活水準の高低差が顕著になっている状態”を指す。また、ブラックゾーン・シンドローム(ブラックゾーン症候群)という“現在個人に発生している問題において個人での抜本的改善が困難となり、炊き出しなどの社会的生活支援や生活保護など経済的生活支援に依存した状態の長期化により社会復帰などを考えられなくなる状態”を指す。


 なぜ、私がこのような状態になっていると感じたかというと、テレビニュースやネット記事、NPO法人などの活動報告などを見ていると“就職は望んでいるが、以前の会社でハラスメントなどの不貞行為が横行して、組織の中に入ることが恐い”・“以前の職場を不当解雇されて、「自分は社会では働けないのでは?」と不安に感じた”など個人要因と組織的要因が混同しているケースが多く、なかには“今就職活動をしているが、100社受けて全て不採用になった。もう生きている意味を見出せない”など自分が輝ける場所を求めても改善されない状況が続くことで精神的に追い詰められていく事が顕著になる。


 そこで、これらを改善する策を考えたところ“幼少期からのキャリア教育の導入”や“地元企業などと業務提携して社会経験を積ませる”など適材適所を見つけるためのサポート耐性の構築が必要だと考えた。


 例えば、週に1回“会社での勤務シミュレーション体験・個人活動シミュレーション体験”など自分がやってみたいことを自分で選択させて実際に体験させることや物作りが好きな子、音楽が大好きな子などその子が得意としていることを伸ばすためのカリキュラムの構築など“子供が自分で選択し、自分でその与えられた課題をこなすために必要な事を実際に体験させる”ことが社会に出るときの1つの判断材料になる。


 そして、集団が苦手だという子は個人で活動できるようにいろいろな講師や実際に活動している人と交流できる機会を増やして、自己肯定感や自尊心を養うことができるように環境整備をすることでこれまで“会社に就職する”という選択肢しかなかった子が“個人で何かやってみよう”という新しい選択肢を手に入れられることになり、早い段階から将来の選択肢を増やすことが可能となるため、将来的に不測の事態が起きたとしても別の選択肢に切り替えられるのだ。


しかしながら、こういうことを教えてもらえなかった世代やそういう事を想定してこなかった人にとってはその人が持っている選択肢が狭まってしまうことや今まで他の選択肢について学ぶこと、周囲と意見交換など知る機会を持ったことがないため、その部分の知識を持ち合わせていないため、再就職などが主たる選択肢となり、そこが上手くいかないことで精神的に追い詰められてしまうことになるのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る