第22話:教育格差が人材育成を阻害する ①

現在は個々で教育機会が多い子と少ない子、習い事をしている子としていない子、成績が良い子と成績が悪い子など個人で置かれている環境も異なるし、本人たちが望んで出来る事と出来ない事がかなり明確に現れてくるため、家庭によっては子供たちの好奇心に寄り添うことが難しくなることで子供たちが自分の気持ちを打ち消して、我慢するようになってしまう。


 私はこの状況は絶対に避けなくてはいけない問題のように感じるのだ。その理由として①子供たちの精神情緒不安定状態になり、自分の気持ちを誰かに話すことに対して相手に迷惑をかけることのように感じてしまう。②強い自責思考が構築されてしまい、無意識のうちに自分を追い詰めてしまう。③ふとしたきっかけで他者比較や対抗心などが芽生えたことによって潰し合いのような構図が出来上がってしまう可能性が高まるなど良い人材に成長できる可能性がある子供が家庭の経済状態によって活かされない可能性が出てきてしまうのだ。


このように、子供によって平等かつ公正な学習機会や経済的な理由により高校や大学への進学を断念したしかし、これらの要因が社会における個人的イメージの構築やアカデミック・ブランドに対するランク付けにつながり、企業などにおける人材育成や人材選別に繋がっていく可能性やこれらの判断基準から漏れた人たちの就労などの重大な労働問題に直結する問題に発展しているケースが少なからず発生している。


 私はこれから個別労働制の拡充と個人適性に合わせた教育や労働の拡充が求められていくように感じる。


 なぜなら、社会復帰可能であっても1度受けてしまった傷は簡単には癒えることはなく、人によっては長期化してしまい、“働く場所がない”・“社会から外れてしまう”“復帰するチャンスをもらえない”など社会的要因と個人的要因が混在していき、問題を複雑化させてしまうことになる。


 例えば、今まで事務系の仕事をしていた人が同じ仕事に復帰したいと思って求人を探したが、ブランクが長いこと、業務経験があっても業務形態が異なる等の理由で不採用になるケースもあるため、同一職であってもかなり厳しい情勢を強いられる。そして、仕事を失った理由が病気の場合は復帰までの期間や罹患状況に個人差があるため、一概に判断をすることは難しいが、現場としては“即戦力”を求める傾向にあるため、このような条件であってもなかなか採用を勝ち取ることは難しく、場合によっては新たな資格取得やアルバイトやパートなどで類似する業務をこなして、力量判断を求められる事もある。


 そして、新卒採用であっても中途採用であっても今の社会で多いのが、“条件限定求人”だ。これは採用希望者に求める能力を示した物で、大学院卒から高卒などの最終学歴、職歴や学歴に基づいた経験や個人で取得した資格や免許など個人のこれまで行ってきた経歴に対して企業側が欲しい人材に求める人物像として求める条件を出すというものだ。


 しかしながら、現在の社会構造で考えていくとこのような求人形態が経済格差や就職差別などにつながり、最終的には職場内差別に発展する事も否定できない。


 そして、最終学歴で給与の提示額が変わってしまうのも問題だと思うし、“その最終学歴がないと就職出来ない”など就職機会を奪う行為などを黙認している時点で経済格差も貧困問題も解決出来るわけがない。


 その他にも“雇用責任の不遵守”などによる不当解雇や雇い止め、不当な出向など自分たちに責任が降りかからないように対象の人を振り回すことや人事権を乱用して自宅謹慎などの懲戒処分にするもしくは責任回避のために当該社員を“自己都合退職”ということにして会社から追放するという行動に出ることもしばしばで、現在の裁量権が企業側のみに委ねられている現状ではこのような状態は改善されないだろうし、更なる人材不足などを引き起こす可能性も秘めていると思う。

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