第17話:学歴が評価される社会 ①
私は疑問をいくつも持っている。その中でも上位に来るのは“学歴社会”・“学歴賃金”に関するものだ。
これは日本だけではないが、日本の場合は他の国に比べるとかなり格差が広がりやすい社会パターンになっているように感じる。
私は大学卒業するときに就職活動をしていた。ただ、当時の私は卒業可否がはっきりしなかったこともあり、とりあえず受けられる可能性のある企業を探すために合同説明会や学内で行われていた説明会に参加した。
そこで感じた違和感が上で示した2つだ。これはなんとも言えない屈辱感を味わった。なぜなら、就職関連企業などが主催する合同説明会に参加したときに真っ先に飛び込んできたのが、“採用実績”や“採用者出身大学一覧”だった。私は“こういう企業も悪くはなさそうと思った”が、その反面、出身大学を見て、社員を採用するということは良い大学になるとなるだけ、就職率が高くなっていくのはそれだけ企業に対するイメージが良く、これまでもその大学の学生を採用したことで良くなったことがあったのだろう。
ただ、私としてはそういうアピールをする会社はあまり得意ではない。なぜなら、学歴で評価してしまうと人間性もさることながら“私たちはこういう大学からしか学生を採用しません”と宣言されているように感じるからだ。もちろん、学歴もその人が頑張ってきた証明でもあり、誰に対しても恥じる必要はない。
しかしながら、日本というのは学歴で優劣を決めたり、習い事で優劣を決めたりする“経歴比較”、身長や容姿で優劣をきめたり、持っている物で優劣を決めたりする“イメージ比較”など必ずと言っていいほど何かにつけて他者比較を頻繁にされるなど人と比べられることが日常生活に当たり前のように存在している。
例えば、小学生でも“小学校6年生で英検1級”や“小学生で身長170センチオーバー”のような子供たちに対して比較対象にされかねない見出しを付ける、この前もある番組で“身長○○センチの巨人”や“身長○○センチのカリスマ”のようにこの身長でもこういう仕事が出来ますよ!のように“こういう個性を大切に。”と言っているのかと思うと、“他のチームメイトと並んでもこれだけ身長差があります“という差別とも取れるような言葉で比較されているケースもある。そして、そういう人たちを見た人が“あんたもこれくらい勉強が出来ているなら問題ないけど”や“これくらいスタイル良い子が良かったな”など子供に対して心ない言葉をかけることもあるのだ。
これらの要因がきっかけとなり、子供たちが他者比較を止められなくなる要因になっているケースも少なくない。そして、実績や容姿、学歴など社会がある程度の基準を作ってしまった結果、そこに向かって進んでいってしまうことになり、これらの要因が成長過程におけるいじめやランク付けなどその人を自分軸で評価して、上下関係を分からせるような行動を取ることに繋がるのだ。
そういう連鎖が半永久的に続き、日本社会における連鎖反応のような状態になってしまうのだ。
なぜ、このような連鎖を止められないのか?それとも止まらないのか?私が分析してみたところ社会的要因や環境的要因がいくつかあるように感じた。
まず、社会的要因として“年功序列的思考の定着”が上げられる。これは、日本というのは“年齢の上の人を年齢が下の人が敬わなくてはいけない”、“先輩を後輩は敬わなくてはいけない”など上を優先的に考える傾向にある。この考え方が定着したことで“自分が先輩だから言うことを聞け!”や“自分の方が先輩だから敬語”など優位性を乱用して人を従わせようとする人が多い。
もちろん、上司には敬語を使う必要があると思うし、上司から学ぶこともたくさんあるだろう。
ただ、間違って欲しくないのは“上司だからと言って他の社員と同じ経験をしている訳ではない”ということだ。
これは、私の体験談だが、その時の上司は同じ職場で10年以上働いてきたベテランの方だったが、“○○さんから教わった”というやり方はたくさん教えていただいたが、“自分がやってみて良かったこと”はあまり聞いたことがなかった。
その時、私は“自分のやり方が知りたかった”と思った。その理由として○○さんの体験(経験)は○○さんがした体験(経験)であって、その人が実際に肌で感じた物ではない。
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