第2話 告白のお願いタイム

二人がぽつぽつと話はじめた内容は、実にくだらんものだった。内容は俺とは別の奴に告白したいということだった。反応としては、あのもじもじして早く言いなよっていう行動そのものが紛らわしく甘い期待をしていた自分がばからしく感じた。

「なら、自分たちで勝手にしたら」当然、俺以外の男がいい目にあうなんて興味ない。すると目が離れた方が「先輩がいる時の方が、告白の成功率が上がるって噂がひろまっているんです」

「なっ、何?そうか」だから最近俺の周りでやたらとイベントがあるのか。

「はあ、つまり俺に見てろってこと?」しかし誰がそんな噂ながしたんだ。これじゃ一人になれないじゃないか。しかも告白相手は俺のクラスの林田 昭人っていうニキビ面で声のでかい男が脳裏にうかんだ。俺の方が断然いい男だ。

別に断ってもいいんだが、今まで女子に何かを懇願されたことがあっただろうか⁉

そう考えるとまあ引き受けちゃるかあ。

別に今まで通り屋上で好きにしてればいいんだから…と気楽に考えていた。

ということで目の離れた方、木下 優紀というらしい。これは完全なる名前負けだなあ。もう一人の太っちょが伊藤 優美。名前に思いを込めすぎだ~。彼女たちには口が裂けても言えないが……。

「まあ、別にいいけど」というと彼女達はまるで願いがかなったかのように、満面の笑みで喜んだ。傍から見るとフツーに俺への告白シーンだよなあ。くそぉ。


それから、教室に入りいつもの1日が始まるはずだった。

だが今日は、斜め前の席の林田 昭人.のことが気になってしょうがない。しかし、この男のどこがいいんだ?一日観察していてもわからない。わかったことは、やたらに汗っかきで英語の授業以外は先生にわからないように、寝ていること。


それでもやるべきことは、4日後までにこの男に例の下級生の伝言を伝えなければいけないことだ。その日は案外早くきた。

自分では、意識していなかったが必要以上に昭人に目がいっていたらしい。便所で、たまたま一緒になった昭人に問い詰められた。「お前、最近やたら俺のこと見てないか? やたらと、視線感じるんだけど。気持ち悪い。悪いが俺、男には全く興味ないから」

「冗談は顔だけにしてくれ。俺もお前に興味ないから」

この機会に告白タイムのことを話しだすとまんざらでもない顔になる。くそお。つまんねぇ。でも、もう役目は終わった。ああせいせいした。あとは当人同士で勝手にやってくれ。

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