見守りや

クースケ

第1話 見守りや


10月中旬

暑さもだいぶ穏やかになり 

過ごしやすい気温の中 あのイベントが今日も行われていた。

(わざわざ屋上でやらなくてもいいのに)


女「いそがしいのに、屋上に呼び出してごめんね‼︎」

彼女は緊張のせいか白く綺麗な頬を微かに赤らめ 

緊張の色を隠せなかった。


(僕も ゴクリ、、)

緊張がこちらにも伝わる。


彼女は気持ちを落ちつかし、

少しの間妙な沈黙が辺りを包む。

5秒間後にゆっくり口を開いて

女「で でも、この気持ち あなたに直接伝えたくて、あなたの事がすきです 

私と付き合ってください」


彼は彼女の事を友達だと思っていた。それ故に

彼女に言われたその言葉に少し困惑な表情を抱き

しばらくして何かを吹っ切り元の凛々しい

顔立ちに戻る。


「君の気持ち嬉しいよ。でもゴメン、おれ他に好きな人いるから本当にごめん。」

彼は彼女を傷つけない様に言葉をかけ続けていた。

「ごめんね。ごめんね」と

彼は同じクラスの 兵藤あきら

部活はサッカー部で正直もてていた。

僕はモテる男も大変だなと思いつつカップル不成立した現場を目撃していた。


もちろんこの二人のどちらか

俺、新城 勉ではない。

皆には通称(見守りや)と言われているらしい。


そのほったんとなったきっかけは、俺ははなから人とは関わることが嫌いでボッチがすきな性格だ。


だからこの学校の屋上も、お気に入りの場所の一つだ。

俺にはいささか迷惑だが、ここでは二人きりになれるということでこの告白というイベントが行われる。


そしてなぜか、俺がいる時に限ってこのイベントが多いことが流石の俺でも気になっていた。

それを決定づけたのはある登校した月曜日の朝、

下駄箱に靴を入れると「あ、あの…さんですか?」女子の声に振り返ると、みるからに下級生の女子二人組が視界に映った。

も、もしかして。このシチュエーションっていうのは。17年間夢にみたものでは? ああ、いよいよおれも憧れの先輩になっていた!!

「あ、あの私達」

ううっ〜。初々しさがたまらん。OKおーけー、少しぐらい目が離れていたって。お餅たべすぎたのってぐらいの太めでも全然OK。で、どっち?

はやる気持ちを隠しつつ平静をよそおって「あ、何?」









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る