13 心臓病

「心臓に異常がみられます。」


初めて医者に言われたのは、3歳ぐらいの頃だった。

難し過ぎて、今でも詳しいことはよくわからないが、幼い頃から運動制限があった。


入院することもしばしばあり、その度に園や学校を休んでいたから、友だちも少なく、退院直後は、近くにいる人がさらに減っていた。


辛かった。寂しかった。明るい輪の中へ行ってみたかった。


その願いは、叶うことなく私の小学校生活は、静かに幕を閉じた。





「有酸素運動系の習い事ですか?」

「うん。実は、前から、中学に上がるタイミングぐらいでお勧めしようと思ってたんだけど。」

そう言って渡してくれたいくつかのチラシは、自宅から近い有酸素運動系の習い事の案内だった。


「でも、私、心臓病ありますよ。大丈夫なんですか?」

「うん。心臓病でも、適切に運動するのは良いと言われているし。もちろん、やめといた方がいい運動もあるんだけどね。」

そう言って、チラシに視線を向けると、

「それに、その習い事はどれも、地域でやってる軽いやつだ。楽しくやろうみたいなのだから、悪化するってことは無いはずだし。」


チラシには、輝いてる姿が写っていた。

これなら…なぜだかそう思えた。

「あの…これ、詳しいこと教えてもらえませんか?」

医者は、私を見てフッと笑うと、

「うん。いいよ。」

と優しくこたえてくれた。

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