11 佐倉 葵

「一年生の佐倉(さくら)葵(あおい)です。今日は、よろしくお願いします。」


俺がフリールームに来るようになってから、一ヶ月ぐらいが過ぎた日。

俺と同い年の佐倉葵という華奢でおとなしそうな少女がフリールームに来た。


「今日は、佐倉葵さんがフリールームに来てくれました。みんな仲良くしてね。ということで、今から少し長めの15分休憩にします。」

先生の言葉でみんなは席をたち、佐倉さんのところに挨拶に行った。


俺も少したってから一輝と一緒にあいさつに行こうとしてたら、佐倉さんの方からこっちに来て、

「二人とも一年生だよね。私、佐倉葵。これからよろしくね。」

挨拶してくれたので、

「僕、佐藤一輝。佐倉さん、これからよろしくね。」

「俺、斎藤和哉。佐倉さん、仲良くしようね。」

俺たちも挨拶すると、

「葵でいいよ。私も、和哉、一輝って呼んでもいい?」

『もちろん!』

「これからよろしく和哉、一輝!」

『これからよろしく葵!』


君は、嬉しそうに微笑むと、とびっきりの笑顔をみせた。


葵と初めて呼んだとき、何故か俺の胸がドキッとした気がした。

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