8 遊びの約束

初めてのフリールームに行ってから、一週間。

俺にとって、別室登校は、日常生活になっていた。

みんなとも気が合うし、みんな優しくて、親切にしてくれるから、毎日楽しくフリールームに行けた。

母さんは、「前より明るくなったね。和哉はそうでなくちゃ。」と喜んでいた。

母さんが、俺が、別室登校になったことを受け入れてくれて、嬉しかった。

そんなことを思い出しながらフリールーム入ると、

「おはよう。和哉」

と一輝が言ったので、俺も

「おはよう。一輝」

と言うと

「和哉、今週の日曜日なにか予定ある?」

「別に何もないけど。それがどうしたの?」

「実は毎月、別室登校のみんなで遊びに行くんだけど、和哉も一緒に行かない?」

「行きたい」

一輝からの遊びの誘いに俺はすごく嬉しくなった。

中学生になってから、今まで、一度も遊びに誘われなかったから、誘われて、すごく嬉しかった。

「じゃあさ、日曜日の朝九時に平和公園に来て。その後は、当日に決めよう。」

「分かった」

「和哉、」

一輝に呼ばれて振り返ると、

「楽しみだね!」

一輝は今までに見たことがないぐらい満面の笑みを浮かべた。

そんな一輝の表情は、本当に遊ぶことを楽しみにしていて、遊ぶことが大好きなんだと思った。

家で、みんなと遊ぶことを話すと、

「楽しんできてね」

と笑顔で言ってくれた。

俺は、

「うん、楽しんでくるね!」

笑顔でそう言った。

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