6 これからよろしくね
「今日、みんなと一緒にこの教室で勉強する、斎藤和哉くんです。みんな仲良くしてね。では今から自己紹介をしてもらいます。斎藤君どうぞ。」
先生にそう言われ、みんなの前にたったけど、あまり目立たない俺はすごく緊張した。言葉を発せずにいると、一輝と目があった。一輝は大丈夫だよと言うようにはっきり頷いてくれた。一輝の頷きに俺は緊張がとけた。「今日、皆さんと午前中を共に過ごす、斎藤和哉です。迷惑をかけるかもしれませんがよろしくお願いします。」
俺が頭を上げるとみんなは暖かくて優しい拍手をしてくれた。
「じゃあ斎藤君は佐藤君の隣の席に座ってください。そして今回は特別に休憩時間を15分にします。」
先生がそう言うと、みんなはヤッタ~と喜んだ。
「じゃあ今からは自由にしていいよ。」
みんな、友達としゃべるのかなと思ったら、俺のところに来て、あいさつをしてくれた。俺も
「おはようございます。」
と言うと、二年生の先輩が、
「和哉くん、敬語使わなくていいよ。敬語使うと距離が離れてるみたいでしょ。あと、先輩呼びもしなくていいから。仲良くしよう。」
「うん。これからよろしく。」
すると三年生の先輩が、
「俺たちにはみんな敬語と先輩呼び禁止な。数少ない大事な仲間に敬語なんていらないぜ。これ俺たちとの約束な。」
大事な仲間、俺のことを仲間にしてくれた。それがとても嬉しかった。
「これからよろしくね!」
ここならきっと大丈夫。本当にそう思えた。
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