第4話 仮想敵による次元封鎖(ディメンショナルロック)

 昭和的・令和的な目線からは、超絶した科学技術を有し、その恩恵を享受しているものと見受けられるアトラの人々。

 しかし、彼らが今なお異能を探求し続けている。その探究心の根源には、彼らが母なる大地から宇宙に向けて旅立つ術を奪われているという屈辱がある。

 三次元空間の大地の物理法則を窮め、天空にも同様の物理法則が成り立つとの観測事実を得て久しい彼ら。しかし、彼らの高度文明の総力を持ってしても、彼らが手にできているのは、母なる大地と、その6つの衛星のみ。


 何らかの存在が、未知の手段により彼らを隷属させ外なる宇宙へと至る道を阻んでいる。その屈辱と共に胸に7つの傷を刻んだ古のアトラの支配層は、その未知に、次元封鎖ディメンショナルロックとの名を与えた。


 そして、いつの日か次元封鎖ディメンショナルロックを解き、この豊穣の大地を襲いくるであろう未知の仮想敵との最終決戦ラグナロクに向け、アトラの人々は微小領域を探求し窮極の奥義に至ることを目指し続ける。


 窮極に至るために、アトラの探究家は、数多の戦略的厨二病専門単語テクニカルタームを日々唱え続けている。(彼らの主観としては)あくまで暫定的に。


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