第2話 フェムトの力、アトの力

 現代物理学では「強い力」と「弱い力(電弱力)」として知られる2つの力を、学窮都市アトラでは、フェムトの力とアトの力と呼ぶ。この2つの力が支配的となるフェムトメートル未満(1000兆分の1メートル未満)の微小領域では、素粒子はほぼ純粋な波状として振る舞う。

 素粒子の物質性と波動性についての基本的な解説は世の物理書に譲るとして、まずは、この領域での素粒子の振る舞いはフェムトの力とアトの力とに支配され、重力の影響は無視できることに注意しておきたい。このサイズの領域では、重力の存在する3次元空間を対象とした諸法則は(いわゆる)有効理論とはならない。


 アトラの人々は、この領域に有効な波状理論の探求を続けている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る