第7話
金髪で雑草の様なツンツン頭の
「
「あのスーパーじいさん、名前も教えてくれなかったわね。」
「日本刀買ったつもりがバナナのぬいぐるみだったってのはウケたな。」
時刻は午前四時。残暑が厳しくまだ暑いのでエアコンが点いている
「ねぇ
「いいぞ、入って来い。」
「サンキュー。」
「後で
「うん、そうするよ。あとさ、今日の夜までここに居てもいい?」
「ん?ああ、いいぞ別に。俺は暇だし。それに、お前さんも疲れたろ?時間が許す限りゆっくりしてけよ。」
「うん、ありがとう。(やっぱり
「ねみーな、そろそろ寝るか。」
と、
「今夜はどっちと寝る?」
と、
「アホか。布団はあるからよ、お前らはこのリビングでも使ってくれよ。」
「あんたはどこで寝るの?」
「俺はいっつも屋根裏部屋で寝てるんだよ。天井は低いけど、エアコンもあるし電源もあるし、快適だぜ。」
「何か秘密基地みたいだなぁ。」
「んじゃ、お休み!」
一方、コンビニ強盗とコンビニのアルバイト店員をやっつけた
「
「おっつー!そうだ、
「んー、いいっすね、行きましょうか。」
「ほんじゃ、午後三時に出発しよう。」
「了解です、お休みなさい。」
「うん、お休み。」
二人はそれぞれの部屋に入って行った。
本日の『うんぽこ』の活動は無事終了。
午後二時、
ゲームに疲れてしばらく休憩していると、刑事で姉の
「ただいまぁー.........。」
と、言った。
「お帰り姉ちゃん。随分と遅かったね。」
「もうくったくたよ。書類仕事サボってたら当然溜まっちゃってさあ、全部片付けて来た。なんかごはん無い?」
「丁度今から中華丼でも作ろうと思ってたところだよ。」
「おう!食べる食べるー!」
「なら、風呂でも入って待っててよ。」
「風呂は後だ!今はゴロゴロしたいの!」
「じゃあゴロゴロして待ってて。」
「おう、任せろ。」
ゴロゴロゴロゴロ.........。
小春は布団を敷いて本当にゴロゴロし出した。
「あ、弟よ、そういえば
「なに!?どこで!?」
「結構前に『うんぽこ』の話はしたよね?」
「うんぽこ?なんだそれ?」
「あれだよぉ、戦隊ヒーローみたいな、悪者を倒す格闘集団。」
「ああ、覚えてるよ。彼らは凄い。決して見返りを求めずに他人の為に命懸けで戦うなんて、なかなか出来る事じゃない。けど何であんな間抜けな
「その理由はようわからんけど、その格闘集団に、昨日
「!!本当に!?」
「うん。まさか
「(さすがだよ
「
「冗談じゃない。僕には仕事があるんだ。プロゲーマーは年中無休なんだよ。」
「その割には空手の試合には出てるよね。」
「当然だよ。空手は僕の.........そうか!僕もパトロールすればいいんだ!」
「え?何言ってんの?」
「『うんぽこ』って組織は別に警察の組織じゃないよね?」
「.........一応、トップシークレットって事で警視総監とあたししか知らない。だから公式には警察の協力者ってわけじゃないよ。」
「つまり、ただの一般人ってわけだ。なら僕も彼らと同じ様に悪い奴をやっつけるんだ。」
「ちょ、待ってよ!駄目だよそんな危ない事!せめて『うんぽこ』に加入してその中の誰かと一緒にパトロールしてよ!」
「悪いけど群れて闘うのはあまり好きじゃない。」
大きめのフライパンに入っている中華丼の具をおたまで混ぜながら
「姉ちゃん、中華丼の具が出来たよ。あとは適当にごはんにぶっかけて食べてくれ。」
「あ、ありがとう.........。
「いや、僕はいいや。外で食べるよ。やりたいことが見つかったから。」
そう言って、
「駄目だよ!行っちゃだめ!今日はお姉ちゃんを甘やかしなさい!」
「そうしてあげたいけどもう決めたんだ。僕も
「.........無理はだめよ.........。」
「必ず帰ってくるさ。」
賑やかな商店街であった。別にお祭りをやっているわけではない。毎日栄えているのだ。
今時珍しく、その商店街はどの店も閉業していない。駅から近いし、この商店街の周辺は住宅街になっていてるし、更にはこの商店街以外に買い物出来る様な場所が無いのだ。そしてこの商店街に来れば何でも揃う。スーパーマーケットも食堂もあるし、携帯電話ショップや靴屋などもある。
この商店街は車やバイクは通れない。歩行者専用のアーケードになっている。そして約百メートル程の
「
「..................こ、こんな所、あったんだ。」
「
「いいっすね、行きまひょ行きまひょ。」
「へい!いらっしゃいませー!お客さんいい時間に来たねー。
元気な板前さんが二人を歓迎してくれた。
「この特上海鮮丼を二つ下さいな!」
「はいよ!」
「今日はとことん付き合ってもらうぜ
「また明日っから仕事ですからね。羽伸ばしときましょう。」
「ああ!もう考えたくねーなー、仕事の事はよぉ!」
テーブルに
「
「いや、あたしは建物調査よ。」
「じゃあ良いじゃないですか。」
「良くないよ~!
「そうですか。俺は山口さんと社長連れて現場ですわ。」
「あのさぁ、山口さんってなんか凄くない?あたし達とそんなに歳変わらないのにさぁ、あの仕事の処理能力だよ。」
「確かに。あの人何やらせても上手くやるんですよねー。」
「かと思えば
「そうなんですよ。何なら俺達の仕事手伝ってくれますからね。」
どうやら二人の職場には『山口さん』という先輩がいるらしい。性別は男性、歳は24歳だという。仕事は何でも出来て性格も良い理想の先輩だ。
先輩についての雑談をしていると、
「お待たせー!特上海鮮丼二つです!」
海鮮丼が来た。
「「すげー!!」」
思わず二人同時に叫んだのだった。
その頃、
「んー.........」
「(なんだ?.........この重みは.........体が、重てーぞ....。疲れが溜まってんだなぁ....。)」
そう思いながら目を開けると..................己の左半身にはTシャツ一枚着たちっちゃい女の子が抱きついていて、右半身には下着姿の美女が抱きついていた。二人とも心地良さそうに眠っている。
「何やってんだ?お前ら。」
二人は爆睡している。
「.........ったく、しょうがねーか.........。もう
無理に起こさなかった。こういう優しい所が二人の女の子から気に入られる理由なのだろう。
しかし、
「おい!さすがに寝すぎだ!起きろアホども!!
「うにゃ?」
「わにゃ?」
美女二人の目が覚めた。だがまだ眠たそうに二人とも目をこすっている。
Tシャツ一枚の美少女、
下着姿の美女、
「あ、やっぱり脱げてたわ。」
「あたしさあ、最近目が覚めると服が脱げてるのよ。」
「何だよその特殊能力.........?」
「おなかすいたー。ごはんー。」
「どっか食いに行くか。」
三人は服を着替えて、あるいは服を来て街へと出掛けたのだった。
ここは横浜市青葉区のとある駅の付近である。二四時間営業のスーパーやチェーンのファストフード店などが並ぶ通りだ。平日の夕方なら仕事帰りの人間で
そして、あまり治安も良くない。メインの通りから少し離れた飲み屋街は暴力団の溜まり場になっており、一般人は近付こうとすら思わない。
当然、そこに溜まっている暴力団の人間が急に一般人に手を出したりはしないのだが、暴力団員同士が顔を会わせれば暴行事件が起きる。
その飲み屋街に、スキンヘッドの一般人男性が居た。スキンヘッドなのだが、その前頭部にはウケ狙いで
赤地のTシャツに膝下ぐらいまでの長さの緑茶色のズボンを履いたこの男の目の前には、右足が変な方向に曲がっているヤクザの男が気絶して仰向けに倒れていた。
さらにその向こう側には、そのヤクザの仲間が三人程居るが、戦慄していた。
一体何があったのか.........。
三人の内の一人がスキンヘッドの男に向けて言う。
「テ、テメェ、どこの組の
「組ぃ?人を見掛けで判断すんじゃねーよ。俺様は一般人だぜ?っつうかテメェらこそ何だ?いきなりケンカふっかけて来やがって。」
「か、
「ムカつくねー。俺は見た目で判断されんのが大嫌いなんだよ。この辺は
スキンヘッドの男の見た目はどう見ても一般人には見えなかった。
「おい、テメェらヤクザっつったな?」
スキンヘッドの男が言った。
「だったら何だってんだよ.........?」
ヤクザが言った。
「じゃあ、いっか。」
キンヘッドの男はそう言いながら、倒れているヤクザの上体を起こし、
グリッ!!
頭部を後ろから両手で掴み、思い切り右回しに
グキッ!!
右回しに
「こいつ、何しやがる!!」
仲間のヤクザが言った。
「知ってるか?人って簡単に死ぬんだぜ?三人まとめてかかって来い。この俺にケンカ売ったんだ、ヤクザだろうが
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