第7話「凍てつく銀星の叛徒」中編
第七話「凍てつく銀星の叛徒」中編
「
”夜伽”騒動の翌日、
俺は彼女を屋敷敷地内の道場に呼び出して問うた。
「貴様!
”
――平安の世から続く武家の名家、日本経済を牛耳る十財閥の一つである
現在の当主は彼女の祖父である
そしてその男が今回の一連の騒動の
そう、今朝方までは……
「何のことでしょうか?私には解りかねます」
眩しい
――当然そう来るだろうなぁ
だが、俺は”そうでない”確証を得ていた。
「これ以降は”
“
いや、日付が変わった今日の午前三時過ぎのこと。
「俺もてっきり”お爺さま”の命令とやらで俺を篭絡して、
「……」
比較的柔らかい口調を心がけてはいるが、その実は尋問と何ら変わらない俺の言葉、
対して美少女は美しい仮面を外すこと無く、涼しい表情のままだ。
――そうか……なら、
「”
「……」
投げかけた言葉に、冬の清らかな夜空に輝く天の川銀河が僅かな反応を示す。
「……確かに、それは私が
彼女が言うように”
あるが……実はその資産に”大いに意味”があったのだ。
「法人格として所有する資産に”ちょっと面白いモノ”があるけど、それも”取るに足らない”って?」
「……」
そして、そんな事は既にお見通しだと言わんばかりの俺の更なる追求に、
希な程に美しい”
「ぶっちゃけ、会社資産として”
”
我が社が
「……」
黙り込むお嬢様に俺は構わず続ける。
「で……我が社の調べでは、キミは密かに動いて自由にできる”
――そう、それはつまり……
グループの根幹を成す主要企業に対し一族による盤石の影響力を確立するため、
それを逆手にとり、彼女は”反抗の準備”を密かに整えていたという。
「随分念入りに、用心深く動いていたみたいだが、我が”A・K・M”の目は誤魔化せない、つまりキミは独立を……」
「黙れ!この売国奴如きがっ!」
黙り込む少女に代わり、後ろに控えていた
「……」
そして――
”
――”今回は”その蛮行を制止しない
ガッ!
――なるほど、図星ってな!
俺は
後足を半歩退いてから肩で
「なっ!」
ストン!
その場に尻餅を着いていた。
「なっ!?ななっ??」
武術女は何が何だか理解していない間抜け
「で、
――武術家としては中々のモノだが、若干適応力に欠けるな
俺はそのまま
――武術女は
「…………」
そして護衛たる女が醜態を晒しているのを目の当たりにしても、さして顔色を変えない美少女は今も
「ああそうだ、一応言っておくが……俺は別に敵じゃないぞ、
「…………そうですね」
そのまま一歩、二歩と何事も無かったかのように近づく俺に、冷めた”
ガチャ!
――お!?
その瞬間!
俺の後頭部には懐かしい……いや、この国では中々見ない代物が突きつけられていた。
「そこまでだ下郎っ!両手を上げて
そう、俺の後頭部に感じる固さや大きさから断定できる……
”
第七話「凍てつく銀星の叛徒」中編 END
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