エピローグ 私の未来

 世間の評判では、私は不良娘。

 医学生だてらに車を乗り回す。



 同じ同窓生の子たちと同じように恋もした。

 でも、短くすぐに終わった。

 私のことを一番気遣ってくれた人たちは、誰よりも優しく、誰よりも野蛮で、誰よりも強かったから。

 そんな人を期待してしまう。私はまだ子供だ。



 もうすぐインターンとして、医者の活動を始める。

 今のような自由はなくなるだろう。

 日に日に忙しくなることを実感する。

 どうしても疲れてしまった時には、ラジオの電源を入れる。

 そこから流れてくるのは、私の英雄の声。

 どんな時も希望を失わない戦士の声。



 いつか、その人を驚かせるほど、私が大人になれたら、

 その人に会いに行こう。

 きっといつまでも待っていてくれるはず。



 なぜなら、その人との冒険は私の思い出だし、

 その秘密は常に私の手の中にあるのだから。



                                    〈完〉

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『大長編ラヂオな時間 -TWO WORLDS- 黒き瞳の乙女』 @spaceblue

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