第11話 妹に求めてはいけないあれこれと、お兄ちゃんに求めるあれこれACT3
結局お兄ちゃんは私のすべてを見ずに立ち去ってしまった。
少し気まずい。
でも、私は本気だった。たとえ兄妹であっても好きな人にすべてをさらけ出すのは私の願いでもあるんだから。恥ずかしさよりも、私と言う姿をすべて隠すことなく見てほしかっただけなのに。
でもいい。これでお兄ちゃんとの関係が崩壊したわけじゃないんだから。まだ超えてはいけない一線は超えていないんだから。
もし、私とお兄ちゃんが超えてはいけないことを超えてしまったら……私は後悔は……しない。
うん、絶対に後悔はしない……と、思う。
さて、お風呂にでも入ろっかな。うん、入ろう……このままではこの興奮はおさまりが付かないんだよ。
お兄ちゃん。私のすべては――――あなたのものです。
おいおいおい! いったい何だったんだよ。
高垣の裸。――――胸……でかかった。やわらかそうで触れたらどんな感触がこの俺の手に伝わってきたんだろう。
もしあのまま逃げずにいたら、高垣はすべてを俺の前にさらけ出して……そのあとは・ ・ ・。
いやいやそれは、あってはいけないことなんだろう。
「おぬしはほんと情けない奴じゃのぉ」
おお神様。お越しいただいていたんですね。
助かった。今一人でいるよりはまぁ訳が分からん神様でもいないよりはましだった。
「はぁ? なんじゃそりゃ。おぬしはわらわのことをなんだと思っているのじゃ! いないよりはましだと! さんざん助けてやっているというのに感謝の念も感じられぬとは……情けないのぉ。それに供え物はまだかのぉ、ポテチをはよ食いたいのじゃ」
はぁ、助けただと? 確かに助けてもらっていると言えばそうだが、感謝の気持ちがあるかといえばそれは別だ。それに供え物ってなんだよ。俺は神様のペットか何かなのか?
「まぁよいわ。それよりもおぬしはあれじゃのぉ……ヘタレじゃな」
「はぁ?」
「だってそうじゃろ。せっかくわらわがお膳立てしてやったというのに何もせぬとは」
いや、お膳立てって……あれは高垣から仕掛けてきたことだろ。
「でも、おぬしもまんざらではないのじゃろう?」
「そ、それは……」
「まぁよい。わらわがお膳立てしてやっても手すら握れぬとは……ほんと情けない奴じゃ」
「いや、でも……その」
「なんじゃ? あやつに魅力がなかったと申すのか? それともおぬしは男色家かのぉ。それならそうと早く言うのじゃ。わらわにはそっちの趣味はないからのぉ」
いやいやいやいや、そんな趣味があるわけないだろ! なんで俺が男色家なんだよ。
「まぁ、よいわ。今回もわらわがきっかけを作ってやったが、最後はおぬしから踏み出さねばならんぞ? それまでは……頑張れよ」
いや、何をだよ! 何に対しての頑張るんだよ!
「それは……あれじゃのぉ」
「はぁ?」
なんだこの神様は。ほんとわけわからん。
「ではな」
あ、もう帰るのか? いや、別にいてもらっても困るけど。でも高垣と二人っきりにされても困るし。
「なに、用がすんだから帰るだけじゃ」
いや、だから俺の心を読むな! ほんとやめてほしいわ。
「まぁよい。ではまた来るぞよ。お供え忘れるではないぞ」
あ……消えた。ほんと何しに来たんだよあの神様は。
でも、高垣の裸……柔らかそうだったなぁ。って俺は何を考えてんだか。でも、あの感触は忘れられないだろうなぁ。
はぁ、もう寝ようかな。今日はいろいろあって疲れちまったわ。
はぁ、お兄ちゃんってやっぱりヘタレだ。
確かにね。お兄ちゃんは私がすべてをさらけ出しても逃げ出さない……なんて甘い考えを持っていた私も悪いんだけどね。
でもさ、普通は同じ男だったら女の子の裸を見たら飛びついて来ると思うじゃない? でも、お兄ちゃんは違ったんだよね。だから私は少しショックだったんだよ。
でもね、それはまだいい方なんだよ? 問題はそのあとなの! だってさ、私の裸を見ておいて何もせずに逃げちゃうってどういうこと! そりゃさ、お兄ちゃんに裸を見られて恥ずかしさもあったけどさ、それよりも私は嬉しかったんだよ。だからもう一歩踏み込んで来てくれたらって思っていたのにさぁ。でも、そこは私が勇気を出して一歩前に出ればよかったんだよね。
はぁ~……でもこれからどうしようか? このままじゃ私の計画がすべて台無しだよ。やっぱりお兄ちゃんがヘタレなのがいけないんだ! もういっそのこと……もっと積極的に攻めていこうかな。うんそうしよう。それが一番いい方法だよね。
さてと、お風呂にでも入って寝よ。
はぁ……まいったなぁ。まさか高垣があんな大胆なことをしてくるなんて予想もしていなかったからなぁ。俺としてもショックだったし驚いたけど、何より男としてどうなんだろう? って思っちゃったのも事実なんだよな。だってそうだろ? あの高垣の裸だぜ? いや、ほんと綺麗だったよなぁ……胸はきれいで大きくてさ。ウエストもくびれていてお尻もいい感じの大きさでさ。それに肌の色も白くて……。あこがれの高垣の裸。
もしかして俺て、ものすごく残念な奴だったんじゃねぇのか?
あの展開だったら行けたんじゃねぇのか。
二人で快楽の境地へ……。
って、何考えてんだよ俺は! いやでもさ、高垣は俺にすべてを見せても逃げ出さなかったから、俺を受け入れてくれたってことだよな? なら俺も勇気を出さなきゃいけなかったんじゃないのか? だってそうだろ。俺がヘタレだったせいでせっかくのチャンスを逃したんだから。
はぁ……ほんと俺って情けない奴だよな。
でもな、もうこれ以上高垣に嫌われるわけにはいかねぇよな。
よし決めたぞ! 明日こそは俺から行動しよう! もう逃げない。
でも、どうやって? う~ん……そうだ! よし決めたぞ。高垣に俺の気持ちを伝えよう。うん、そうしよう。
はぁ……でもな、俺ってヘタレだからなぁ。
ほんとどうしよう。
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