第二章
2-1
僕達3人は、同じ高校に通うことになった。僕は、特定の女の子と付き合うことも無く、昇二と光瑠とは仲良くグループ付き合いをしていたが、美鈴のことは忘れたことが無かった。最後に、美鈴から渡された子猫の人形は、学校に行くときも鞄の中に入れて、いつも離さないようにしていた。そのまま、高校も卒業を迎えようとしていた。
高校3年の冬休み、図書館で昇二と会っていると
「中学の時の北川紘一を覚えているか?蒼は同じクラスだったろう」
「うん 覚えているよ 割と、仲が良かったから」
「この前、あいつと道で会ってな 美鈴によく似た女の子を見たって言ってたんだよ」
「それって どこでだよ」と、僕は焦っていた。
「落ち着けって 四条畷の弁当屋らしい 友達の家に泊りに行った時、そこに弁当を買いに行ったら、似た子が奥で働いていたんだって マスクして髪の毛も短かめだったから、よくわからないけど、あの眼元はたしかに美鈴だと思ったらしいんだが、確かめること出来ないままに、弁当買って帰ったらしい。でも、気になったんで、次の週も、行ったらしいんだが、もう、店を辞めていたそうな お店の人に聞いたら、その子を目当てにストーカーまがいの男がいて、毎日買いに来るのは良いんだけど、彼女が仕事を終わるのを外で待ち伏せして、付き合ってくれと付きまとったりするようになってきたんで、店に迷惑が掛かるからと、辞めたらしい とてもよく働いていたのにということだったって それに、もう18になったんで、知り合いの料理人に呼ばれて、大阪のホテルのナイトラウンジで働くと言って居たそうだ。借金の返済のため、お金が必要らしかったと、だけど、彼女は しずかちゃんと言って居たということなんだ それで、人違いかなって思ったそうな それでも、連絡先を教えて欲しいと頼んだんだが、警戒されて、駄目だったみたいで、それ以上は聞かなかったということなんだよ どう思う?」
「なんとも言えないな しずかって言うんなら、違うし 名前変えてるかも知れないし 髪の毛も切ったんかなぁー」
「でも もう一つ気になったんが、左手にリストバンドしているのが見えたらしい 北川も美鈴と蒼がミサンガ着けているの知っていたから」
「うーん まだ、着けているかなぁー 昇二には、言うけど、僕のは切れかかって、ちょこちょこ補修しているんだ ほれっ これ 切れてしまうと、美鈴との絆も途切れてしまうような気がして・・」
「リストバンドで覆っているのか 確かに気になるなぁ だけどな 蒼 わかっているだろうけど、俺たちは、今、大学受験を控えているんだ 今は、探しようも無いよ そんなつもりで、このこと話したんじゃぁないんだぞ」
「あぁ わかっているけどなー すまんな お前にまで、心配かけて」
「なんの 美鈴は、俺たちにとっても仲間だからな」
昇二と僕は、京都の同じ大学の農学部を目指していて、新しい食品となるものを勉強しょうと約束している。光瑠は同じ大学の法学部を目指していた。
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