第8話 『クレーム対応』 その1
屋台長官
『きみ、メールみたか?』
シュポクリ科学主幹
『え、見ましたよ。やつの居場所はわかりました。地球の管理コンピューターが、まるごと乗っ取られてました。当方に来ていたのは、うその情報ばかり。しかし、幸いなことに、お得意様マークの人類から出たクレームメールらしきものだけは、こちらに『そのまま』転送されるシステムにしてまして、そこは、生きてました。やつめ、そこまでは、気がつかなかったらしい。これで、捕まえられます。』
屋台長官
『苦労して造った拠点だからな。しかし、地球に派遣した当時は、正常だったのだろう?』
シュポクリ科学主幹
『そうです。しかし、幽霊機能を付けたのが、結果的には、良くなかったですな。地球人は、幽霊が好き。とくに、にぽんと、ブリタニーは。と、単純に判断しすぎましたな。』
屋台長官
『ま、すべてが悪かったわけではない。官権の介入を避けるには、意味があった。幽霊を追跡したりはしないからな。』
シュポクリ科学主幹
『とりあえず、拘束し、太陽に放り込み、代わりに、新型を三台導入します。やつは、用済みです。』
屋台長官
『よかろう。皇帝陛下には、よい知らせを伝えたいかなら。ま、きみは、わたしを監視してるのかもしれないが。』
シュポクリ科学主幹
『さすが。お見通しですな。大丈夫です。まだ、悪い報告は、してないですから。』
屋台長官
『そりゃ、どうも。なんとしても、地球での商売を成功させたいが、思った以上に、監視が厳しいな。社会機構が良くできてるよ。アンダーの人類から、さまざまな、クレームやら、情報やらが、管理役の人類に上がるようなシステムになってるんだ。最上部の人類は、それらを、自分達の思想に合致するように操作する。たまには、戦争の脅威を味あわせることもある。危機感を煽って、操作するんだ。』
シュポクリ科学主幹
『まあ、しかし、地球人類は、わりに大まかですからな。必ずしも、指導者に従うとも限らない。ただ、国によって、大まかさが、ちがうようですが。厳しい地域には、入りにくいです。』
屋台長官
『まずは稼げる場所で稼ぐべし。我らの、基本だ。』
シュポクリ科学主幹(ちょっと、巨大な複合単眼をつりあげて)
『ま、儲けに失敗はつきものですから。では、捕獲に移ります。まあ、素直に従うとは思えませんし、我々自身は危なくて地球には降りられませんから、ロボットを派遣します。黒服、黒サングラス、黒の靴。黒の財布。黒の光線銃。』
屋台長官
『やつも、武器を調達しているかもな。』
シュポクリ科学主幹
『読み込み済みです。』
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つづく……
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