第一話「赤い傘」~漫画原稿17of18「精霊馬の茄子」~
~精霊馬の茄子~
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――マドツキが傘エフェクトを入手した瞬間
「ぴろりっぴ」
と音が鳴る、しかしマドツキは嬉しそうでない様子、ウロツキはマドツキの背中をさすっているが、泣いている理由がわからない、リネンも片方の三つ編みを握っているが動かない、ウロツキもリネンもよくわからず顔を見合わせるばかりだ、赤い傘を大切そうに抱きしめるマドツキに一体何があったのか、2010年当時のウロツキとリネンは知らなかったのだ
ウロツキ
「うん、テレポートメイズから樹海に来たって設定らしいよ、あと一度、夏の季節を示したくて、精霊馬の茄子を書こうとして消した後がある、樹海に供え物があったでしょ?
私はこれをバージョン0.09の幻のNASU出現イベントって呼んでるかな」
ペラ…
ウロツキはノートにある消しゴムで消された痕跡を鉛筆で浮き彫りにしていた、マドツキは古い時期に書いていた絵もあり、事故が起きた日から亡くなった日に至るまで、日記を消したり上書きしたり繰り返していたらしい、ウロツキは母の遺品を基に0.03~0.10までバージョンごとに夢日記の消し痕のある絵も含めてデバッグルームにちゃんと保管して分けているそうだ
サビツキ
「消した後?古い時期に何度も修正した?」
ウロツキ
「死者を見送る精霊馬、これも蛙と同様に夏の季節を示すものだったけど、でもこれを書いたらモノ子の遺体を弔ってることがバレるから、恐れて消した」
サビツキ
「え?どういうこと?」
ウロツキ
「マンホールがあって、そこに隠した…だから精霊馬の茄子で弔った、けれど宇宙人が誘拐したってことにして、精霊馬の茄子を消したの、NASU出現イベントのあった木の近くにクラゲさんを上書きした、あっ、マンホールってのはLSDのバイオレンス街とリンクもしてて、この街のヤクザも死体を隠す為に…」
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