11ページ上のコマ

ひっくり返った傘を拾い上げると、同時になにか呼ばれた気がした、とにかく両手で傘の柄よりも少し深めに握り、横にして再び風に飛ばされないように刀を鞘に入れるような斜め下の持ち方にした。これで大丈夫。あとはあの女の子に返すだけ…

「　　―――！　　」

「いっ！？」

11ベージ下のコマ

モノ子はびっくりして、一旦振り返った、なにかあったのかと、マドツキとモノ江を見ると違うところを見ていた。

すると、みるみるうちに横断歩道のモノ子の影はT字路の交差点の中央へとだんだん伸びていく。

先ほど駆け出したせいか、雨ガッパのフードは逆風で飛ばされてツインテールが見えている。

「赤！赤！」

「止まって！」

視界が広くなったものの、きっと、このあと二人の見つめる視線の先に目を合わせたときには、右往左往するモノ子には、迫り来るそれを避けようがなかった。

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