第5話生きてるって素晴らしい

ただただ死を待つというのはやはり1人間としては難しいもので、疲れていたのもあいまってか寝てしまっていた。今のところ体に異常がないことから、あの果物は毒物ではないのだろう。とりあえずあの女は信用してはならないという教訓だけでも心に刻んでおこう。

「おはようございます。元気そうですね。何よりです。」

薄ら笑いを浮かべた顔で彼女はこちらを見てくるが、こちらものうのうと渡されてしまったものを食べてしまった身であるがゆえ何も言い返せないのが腹立たしい限りであった。

「毒物かもしれないものを食べたんですから、苦虫程度でそんな顔しないで下さいよ。」

このアマをどうにかして泣かせてやりたいのだが、とりあえず今はこの怨念を心の奥底に閉まっておくことにしよう。

「まぁそう怒らないでください。これからのことについて話そうとしているのにあなたがそんな状態で話し合いも出来ませんよ。」

一体何様なのだろうか、この女は。

「では、今後のことについて話すのですが、今のところ衣食住には困っていません。今までずっと問題であった娯楽についてもあなたのおかげでどうにかなりそうです。」

さしずめ私はピエロにでもなって、枕元にたって君を楽しませればいいということなのだろうか。

「違いますよ。それはそれで面白そうですが、果物の件です。やはり人間なんで、楽しみがなきゃやって行けません。」

確かにそうである。

「そうなんです。そしてこの4つが集まったことにより生きていくことは可能になったんです。じゃあ次にやるべきことはなんでしょうか?」

衛生面では無いのか?ここは少しホコリ臭い。

「そ、それはですね、、そうですね、、」

掃除できない人類なのか?

「( ;˙³˙)~ᕷ」

衛生面 管理できなくて腹壊して死ね!!

「そんなめちゃくちゃ言わなくてもいいじゃないですか!!掃除より先にやることがあったからやってなかっただけですよ!」

このゴミ部屋大将汚物の塊が!!

「レディに舐めた口聞いてたらどうなるかわかってるんですか?!喧嘩しますか!!」

さすがに言い過ぎた所が自分にもあったかもしれない。申し訳ない。

「分かればいいんですよ。私もすみませんね。」

ぺっ

「私は大人なので挑発に乗りませんよこのクソガキが。」

乗らないなら乗らないでさっさと話してくれませんかね?

「分かりましたよ。ええとですね。具体的に今後何をしたいかと言うと、日本への帰還です。」

最終目標はやはりそうなるな

「はい。そのためにも情報収集が必要です。長距離移動を可能にし、探索範囲を広げたいんですよね。」

そうなりますね。自分はこの辺りについて詳しくないし、やはり意見を提案してくれるのだから何か考えがあるのでしょう?

「まぁそうですね。とりあえず指示出すまでいつもの業務をやっててくれたらそれで大丈夫です。今日もこれで解散で仕事行っちゃってください。」

終わり方は存外あっさりなんすね。

「狙った訳では無いので。さっさと行ってください。」

あと仕事の前にやるべきことがありますよね?

「喧嘩でもするのですか?あなたも相当子供ですね。もう大人になってください。」

【掃除】しないんですか?

「( ;゚³゚)~♪」

(´・з・`)フューフュー♪

「(´°̥̥̥ω°̥̥̥`)」

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