天川 悠人の登校
茜と手を繋いで学校へ。
結局クローゼットに隠れてた親父を沈めるも母さんには逃げられた。親父を見捨てて逃亡するスピードは最早一流の
そして親父には次やったら、この前ネットショップで母さんに黙って、銀◯英◯伝◯のDVD Boxを買ったことをバラすと脅しておいた。
もしバレたら半年は小遣いは無しだろう…親父が泣いて土下座をするのは既定路線である
夫婦の歴史がまた1ページ…
まぁ、それでも親父が止めるとは思えないが一定の抑止力はある筈だ。
というか、ついこの間ガ◯バー◯ーイのDVD Boxの件で怒られたばかりなんだが……流石にもうやらないだろ(適当)
問題は母さんの方だな、何時かなんとかしないと…。
うーん…
「あ、桜花ちゃん、桃花ちゃん おはよう」
茜の声に考えごとを中断して前を見ると、曲がり角の電信柱の側で桜花と桃花が何か話しをしていた。二人はこちらに気づくと腕を上げて挨拶してくる。
「ああ、おはよう悠人、茜」
「ええ、おはよ」
「何だ二人共、茜を待ってたのか?」
「アンタと茜を待ってたのよ」
「うん、何故自分を外すんだ」
いや深い意味は無いんだが。
「……迷惑…だったかしら?」
そう不安そうに聞いてくる桃花。長い金髪が風に揺れている。
桜花の方も視線を下げて俺の答えを待っている。
茜と二人きりでの登校を邪魔されたんだ、当然答えは…
「別に迷惑じゃない、行くならさっさと行こう」
……迷惑に決まってるだろって言うつもりだったんだけどな。
何でか二人の顔見てたらそう言えなかった。
茜以外の人間に気を使うなんて俺らしくもない。
「そ、良かったわ。」
「う、うん! 行こう」
素っ気ない返事とは対照的に嬉しそうに微笑む桃花と、ぱっと上を向いて笑う桜花。
ふと茜と目が合うと優しく頭を撫でられた。
……最近の茜はよくわからない、何を考えているのだろうか?
――――――――――
四人で歩いてると俺の隣に茜、その後ろを桜花が歩き、何故か立ち位置を細かく変える桃花。なんというかちょっと鬱陶しかったので、何をウロウロしてるのか聞いてみたら
「か…風避けよ…」
と意味不明な答えを返しながら頬を赤く染めてた。
…確かに風が吹くと風下に移動してる…マジだったのか…。
そんな下らない話しをしながら歩いてると、周りに少しづつ同じ制服を着た人間が増えてきた。
そしていつものようにソイツ等から、嫌な視線と陰口が飛んでくる。
……俺だけに。
ま、陰口叩いてるのは主に同じクラスの奴らしいけど…顔や名前が思い出せない奴ばっかりだしなぁ。嫌われる理由がわからん。
それをうけて茜達はどんどん不機嫌になってくるし…何なんだ一体。
――――――――――
???「……いいこと思いついたわ、風が吹いた時に風下に回れば、合法的に悠人の匂いが嗅げるのでは?」
???「うーん……やっぱり直接じゃないと駄目ね」
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