第52話 陽葵と暦
第52話
真宵に頼んだ後、俺は暦と合流してとある場所に向かっていた…
「久し振りだね、陽葵ちゃん…」
「うん、そうだね暦ちゃん…」
「………………………………………………………」
…それは陽葵の住むアパート。
十数年ぶりに再開した二人だが、かなり空気が重いのだ。
まぁ、事情が事情だから当然の話なのだが…
「早く中に入って、暦ちゃんにひーくん。話したい事はいっぱいあるの。」
「そうだね。私も沢山あるよ…」
「……おう。」
俺の胃、耐えられるのだろうか?
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「ふーん、そんな事が起きてたんだね。辛かったでしょ、陽葵ちゃん?」
「うん…でも、それは暦ちゃんもでしょ?」
「私のは自業自得みたいな物だし……」
「それは私も同じ……」
「陽葵ちゃん………!」
「暦ちゃん……………!」
と、泣きながら抱き合う二人。
良かった、本当に良かった…
…もう、こんな光景は見られないと思ってたからな。
……俺のせいで。
「はぁ、色々とスッキリした!ねぇ、ベランダ借りて良い?」
「良いけど、何するの?」
「電子タバコ!人識くんが死んでから吸う様になったの!」
「そうなのね。私も最近、ひーくんが昔吸ってた奴を吸う様になってね…」
と、二人してイルマの新しい奴(何でコンビニくる奴等はテリアと言わないのだろうか?)を吸い始めた。
ちくしょう、俺が今は未成年だからって一人ぼっちにしやがって…
俺だって吸いたい!
電子タバコだけじゃなくて、メビウスやセブンスター、キャメルとか吸いたい!
……酒はまぁ…良いか。
「あれ、人識くん吸わないの?」
「今のひーくん、未成年だよ?」
「そっか、ごめんね♪」
「ふふ、酷い子♪」
本当だよ!
ちくしょう、二十歳になったら吸い倒してやるからな!
「ねぇ、ひーくん。」
「人識くん、聞いてくれる?」
「何だ、二人とも?」
そんな畏まって、一体何を…
「「私達と…………………………………………」」
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「全く、アイツ等め…」
何を当たり前の事を言いやがって…
でも、まぁ…
「俺も覚悟を決めなきゃな…」
ありがとうな、俺の大好きな二人。
お前達のお陰で、俺は前へと進める。
「行くか、雫の所へ…」
続く
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