第50話 それぞれのホテルでの過し方

第50話


人識=巧望side


ホテルに着いて、俺は部屋でノンビリしていた。


暦達は温泉、何か母さんは勝手に何処かに行った。


まぁ、飯時には帰ってくるだろう。


はぁ、隙だなぁ…


「ポケモンでもするか…」


リングマ、どうやったらガチグマに進化するんだろうか…


誰が教えてくれない?


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暦&人織side


「良い湯だったわね、人織♪」

「うん、凄い爽快な気分♪」


久し振りに良いお風呂に入れたわ。


お義母さんに感謝しないと…


それはそれとして…


「家族風呂に入りたかったわね…」

「本当にやめて!まだ普通に恥ずかしいから!」


本当に何を言い出すのだろうか、この母親…


いや、お婆ちゃん(仮)も大概だし…


あれ、もしかして…


「私の身内って変な人ばかり?」

「ん?何の事?」


あ、これ自覚無しだ…


困ったな…


そんな事を思ってると…


「見つけた。見つけたよ、暦。」


後ろから、そんな声が聞こえてくる。


「お母さん、知り合い?」


しかし、振り向くと誰も居なかった。


「いきなりどうしたの、人織?」


お母さんが不思議そうに聞いてくる。


何か気味悪いな…


「ねぇ、早く部屋に戻ろう?」

「そうね♪早く帰って人識くんに甘えましょう!」

「お母さん…」


キャラが可笑しくなってるお母さんに呆然としていると…


「あら、人織もでしょ?」

「そ、それは別に、ま、まだ、早いというか…」


ちょっと困るというか、まだ心の準備が出来てないというか?


「うふふ、そういう事にしてあげるわ♪」

「なっ、お母さんのバカぁ!」


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朱里side


「あらあら、やっぱり居たのね。」


はぁ、本当に忌々しい奴。


まさか、こんな所で偶然出くわすとわ…


リュー君と同じ土地に居るとか、本当に気色が悪いわ。


「あら、私が誰かって?私は人識君の母親で、暦ちゃんの義母です。今では可愛い孫が居るの♪」


本当に可愛い子供と孫よ。


だからこそ、お前はあの子達に関わらせない。


「違う?俺の娘?愛?そんな訳ないでしょう?結局、お前は何も奪えなかった。何一つ、成し得なかった。」


それすらも理解わからないとは愚かが過ぎるなぁ…


だから、こんなにも醜いのだろうけど…


「それに、お前のそれは愛じゃない。欲望に爛れた唯の悪意だ。」


全ての欲望や感情の上に愛がある事こそが純愛だ。


全てに置いて愛を上回る程の醜い欲望や感情を垂れ流すお前が愛を語る資格なんて無い。


まだ、あの化け物の方がマシだ。


「全く、化け物といいお前といい、これだからヤンデレは嫌いなのよ。」


愛は欲しがる癖に、平然と愛する者を傷付ける気持ちが悪い存在。


本当に度し難い…


「まぁ、良いわ。お前にはピッタリの終わりを与えてあげるわ♪」


何故なら、此処から先は…


「さぁ、せいぜい頑張れ。私の独壇場セカイでね♪」


続く

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