第49話 いつかまた

第49話


その後、何故か昼食を貰う事になった俺達。


母さん(朱里)とリュー君さんは何処かに行ったが、俺はもう一人の朱里さんと昼食を作っていた。


「あら、料理上手いわね…」

「まぁ、前世ではよく作ってましたし、今世でも母さんがアレなので…」

アイツ、まだ下手なのね…」


小さな声で「勝った…」と言っている事は聞かなかった事にしよう。


それにしても…


「朱里さん、本当に俺の母さん嫌いなんですね。」

「当然よ。私はアイツが嫌いだし、アイツも私が嫌い。あの時、事故に合ってから私達の運命は狂った。其処からは、ずっと戦争よ…」


懐かしむ様に、それでいて苦しそうに、彼女は答えてくれた。


事故、そうか…


母さんも事故で色々と狂ったんだな…


「何より、あの化け物はリュー君を傷付けた!それだけは絶対に許さない!」


と、怒りを顕にしている。


だが、こうも思った。


『アンタ等、もしかしてブーメラン投げあってるんじゃないか?』、と…


まぁ、これは言わぬが花だろう。


言ったら、ダブル朱里に睨まれる結末が見える。


「まぁ、あの…えっと……」

「何ですか、朱里さん?」


彼女は少し考え込み、顔を赤くして恥しそうに…


アイツの事、宜しくね。正直、殺したい程に憎いし、何なら今にでも殺してやりたい。でも…」


「それでも、私だから。」と、彼女は言った。


本当に色々あったのだろう。


本当に増悪を抱いているのだろう。


それでも、思う所はあるのだろう。


なら、俺はそれに…


理解わかってますよ。任せてください。」


あんなんでも、今の俺の母親ですから…


前世の母親達に会うのはちょっと気不味いしな…


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そうして、途中から戻ってきた竜馬さん達と昼食を食べ、色々な話をした。


特に竜馬さんとは女関係で…


あの人、ちょっと笑う位に女難だったな…


最後ら辺なんか…


「巧望!お前、女関連で何かあったら絶対に連絡しろよ!」


と、熱烈に語ってた。


まぁ、機会があれば…


そんなこんなで楽しい昼食は終わり…


「じゃあね、リュー君♪また来るね♪」

「二度と来るな、化け物!」

「残念ですが、馬鹿の声は聞こえない仕様なんです。本当に申し訳ありません。」

「コイツ!」


最後の最後まで喧嘩してたな、この人達…


「どうだった、リュー君は?」

「まぁ、良い人だったよ…」

「でしょ?」


と、ドヤ顔する母さん。


どんだけ好きなんだよ…


「で、どうするんだ?もう帰るのか?」

「大丈夫、ホテル取ってるから!」

「えっ、本当ですかお義母さん!?」

「やった!どんなホテル?」


と、歓喜に震える女性陣。


そんなに嬉しいかね…


「金は有るのか?」

「大丈夫!株やネット、仮想通貨とかでサクッと稼いでるから♪」


マジか…


ていうか、これ絶対に父さんより稼いでるよな…


あんまり顔見てないし、思う所も無いに等しいのだが…


「可哀想だな、父さん…」


心の底から、そう思った…


続く

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