ＮＴＲビデオレターを見た後に偶然事故死してしまった俺は…

第48話 朱里と朱里

第48話

「はぁ？何で私の名を知ってるの？」

「それを知ってるのはね、私が居るからだよ♪それとも、まだ気が付かないの？やっぱり、お前（私）はマヌケだね♪」

「なっ、何で初対面の貴方…アナタ……えっ、もしかして………」

と、朱里に似た女の人は顔を真っ青にしていく。

そして、少しずつ激情を顕にし始め…

「何で此処にお前が居るのよ、化け物（私）！お前は私が殺して…」

「でも、お前が元々居た私は殺した訳じゃないでしょう？ありがとう（許さない）、貴方のお陰で此処まで来れたわ！」

最早、朱里の方も隠す気がないのか、母さんの顔を止めて応戦し始める。

成程、これが修羅場か…

しかも、同じ（双子の線もある？）顔同士でだ。

カオスだなぁ…

「何してるんだ、お前…」

と、そんな中、後ろから男が出てくる。

あれ？コイツ、何処かで見た事ある様な…

まぁ、良いか。

「ん？あ、朱里!?二人!?まさか、お前裏朱里か!?」

「裏？」

どういう事だ？

オセロか何かか？

「あの…私達ついていけないんだけど……」

「お義母さん、大丈夫かしら？」

あっ、すっかりお前達の事を忘れてた。

ていうか、マジでどう収集つけるんだコレ？

「…ああ、面倒だ。良いからお前達はウチに入ってこい。あ、裏朱里は玄関直しとけよ。」

「は〜い♪」

「ちっ、理解（わか）ったわよ。後ろの皆も入ってきなさい。」

と、上がらせて貰う事になった。

しかし、あの男が件の『リュー君』なんだろうが…

…普通だな、うん。

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「で、お前ら誰だ？」

彼の家の中に入った途端、直球で彼は聞いてくる。

信じて貰えるかは疑わしいが、素直に答える。

「えっと、俺はあの朱里に転生させられた一崎　人識。もとい、雪崎　巧望です。で、此方は…」

「その前世の人識くんの妻、一崎　暦です♪」

「えっと、一応、その前世の子供に当たるらしい一崎　人織です…」

「そうか、苦労してるのな、お前らも…」

と、簡単に信じてくれた。

しかも、同情の目まで向けている。

「結構、簡単に信じるですね…」

「そりゃあ、俺の所にも色々居るからな…」

と、彼は遠い目をし始める。

あっ、理解（わか）りました…

貴方も本当に苦労してらっしゃるんですね…

「ん？ああ、お前らが名乗ったのに、俺達が名乗るのを忘れてたな。」

「直してきたよ、リュー君♪」

「アンタは出ていきなさいよ、この化け物（私）！」

「…まぁ、名前を知ってると思うが、アイツ等は雨崎　朱里。今は分裂してるが、表と裏の多重人格障害者だ。」

成程、だからそっくりなのか…

「そして、俺がリュー君こと…霧崎　竜馬だ。好きな風に呼べば良い。」

続く