第6章 家族想いな邪神様

第45話 お説教と反省会と訪問と

第45話


「はぁ、先ずは何で俺を頼らなかった!」

「だって…」


と、縮こまる暦…


はぁ、俺に怒られるとそうなる癖、まだ直ってなかったのかよ…


「まぁ、お前が語ってた様な危惧をしたのは俺に問題があるとしよう。」


ぶっちゃけ、あの時の俺はやりなねなかったからな。


今でこそ時間が経ち過ぎたというか、一度死んだせいで色々と吹っ切れた部分もある。


だが、あの時の俺は陽葵からの呪いが罹ってた様な物だった。


好きなのに変わりはないが、愛する事が出来たかというと…


いや、止めよう。


それに関しちゃもう遅いし、もう無意味な話だ。


「一度でも助けてくれって言ったら、俺はお前を全力で助けたからな?」

「うん…」


全く、普段なら頭良い癖に、俺の事になった途端、バカになりやがって…


いや、付き合ってる時に矯正しなかった俺もアレか…


「それにお前、DNA鑑定してないだろ?」

「人識くんの子だもん!絶対、そうだもん!」

「俺もそれを疑う気はねぇよ!」


ちゃんと暦の娘として認識してから、何となくそんな気はしてたさ。


まぁ、唯の勘なのだが…


それはそれとして…


「ちゃんと確認しないと、あのゴミが父親かもと悩む事になるかもだろうが!」

「そ、そんな…」

「はぁ、全く…。今は身体が違うから無理だけど、俺が真宵の奴に土下座でも何でもして頼み込んでくる。だから、ちゃんと鑑定をやるぞ?」

「う、うん。理解わかった…」

「辛いだろうが、頼むぞ。」


まぁ、後は…


「ごめんな、暦。」

「えっ、何で…」

「俺もバカの一人だ。あの時、お前が何かに苦難してたのは理解わかってた筈なのに、お前から助けを求めてくるのをアホみたいに待ってた。もっと自分から動くべきだったんだ。」


そして、何より…


「お前達を置いて逝って悪かった!」


お前達を一人にさせて、本当にすまなかった!


それが今、悔しくて悔しくて堪らない!


バカが、あんな事で死にやがって…


「違う…」

「暦…」

「悪いのは私、私だから!人識くんは私なんかに謝らないで。」


折角の説教なのに、反省会と化してしまった。


俺達はお互いに謝りながら、当分の間泣き続けたのだった…


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「…はぁ、久し振りに泣いた気がする。」

「ごめんなさい、人識くん…」

「もう良いよ。」


恥ずかしい、いい歳した大人(外見年齢15才)なのにな俺…


って、一番言わなきゃいけない事を忘れてた。


「暦…」

「人識くん…」

「俺はお前を許さない。」

「…だよね。でも、でも、どうか人織の事だけは…」

「バカか、お前は!お前も人織も見捨てる気はねぇよ。」


俺を見縊るなよ、暦?


「責任は取る。例え、あのゴミの子供だったとしてもだ。だから、もう一度俺と居てくれ。」


もう夫婦は無理だけど、一緒に居るだけならバチは当たらないだろう?


「人識くん…ありがとう……」

「おいおい、もう泣くなって………」


そうやって、彼女の涙を拭おうとした瞬間…


「お邪魔します!」


と、玄関から声が響いてくる。


なっ、誰だ!?


しかし、この声何処かで…


続く

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