第6話 やはり、私は人識くんが…

第6話


地獄の日々は続いた。


でも、後もう少しで…


…この地獄は終わる。


明日が過ぎれば、もう終わりだ。


「どうした、暦?」

「えっ、人識くん!?」


久しぶりに人識くんとゆっくり過ごせていると、いきなり人識くんが聞いてきた。


もしかして…


「何をしてるかは知らん。でも、無茶はするなよ?お前、めっちゃ疲れた様な顔してるぞ?」

「嘘っ…」


どうして?


人識くんには気が付かれない様にしてたのに…


実際、他の人は気が付いてる素振りも見せてなかったのに…


「お前、俺が陽葵と別れたばかりの時と同じ感じになってるぞ。俺を思ってくれてるのは嬉しいが、お前が無茶して壊れたら泣くのは俺だぞ?」


「泣いちゃうぞ?ガチ泣きしちゃうぞ?年甲斐もなく、ガキみたいにな!」と、彼は高らかに堂々と格好悪い宣言をしていた。


でも、私にとっては格好良い一番星なのだ。


それに違うよ、人識くん…


あの時も今も私は私の為にしか動いてないもん。


あの時は貴方の愛が欲しかったから…


今はもう二度と…


「大丈夫、もう頑張らなくて良くなるから。」

「そうなのか?なら、何も言わねぇよ。…そうだ、今度何処か行くか?」

「…うん、そうだね♪」


うん、本当に楽しみにしておくね♪


「そうだ!人識くん、久しぶりにしようよ!」

「なっ、いきなり過ぎるだろ!情緒もへったくれも無さすぎるわ!」


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「はぁはぁ、気持ちよかった…」

「すぴぃ、すぴぃ…暦……」


久しぶりの人識くんとの行為はやっぱり気持ち良かった。


無理やり与えられた快楽じゃない。


身体も心も満たしてくれる快楽。


不快感など皆無で、包み込んでくれる様な優しい快楽。


しかも、調子に乗って生でやってしまった…


後でピル飲んどかないと…


「人識くん、明日で終わりだから…」


さっさと、この悪夢を終わらせよう。


そして、人識くんと…


「本当に最悪な1ヶ月だったなぁ…」


今度はこんな事がない様にしないとね…


「あっ、ヤバい。眠い…」


と、疲れていた私は眠ってしまった。


だが、こうやって呑気に人識くんの隣で寝落ちしてしまった私は知らなかった。


本当の最悪、最低な悪夢はこれからだという事に…


続く

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