第4話 滲みよる悪意
第4話
はぁ、一昨日は盛大にやらかしたなぁ…
何か滅茶苦茶飲んだ気がする。
二日酔い、めっちゃ辛いよ…
結局、見舞いに行くつもりが二人して倒れる事になっちゃったし…
ていうか、人識くん。
絶対一昨日の夜飲んだでしょ…
本当に弱いのに…
「はぁ、しかも、今日休んじゃってるし…」
はぁ、熱出すとか馬鹿過ぎる…
しかも、自分は良いって私を学校に行くように行ってたし…
受ける授業受けたら、さっさと帰ろう。
そして、看病しないと…
そんな事を考えていると、後ろから…
「ちょっと待って、暦ちゃん!」
「はい?ああ、えっと…」
…確か同じ?サークルのえっと……誰だっけ?
あっ、そう言えば一昨日の打ち上げにも居た様な気がする様な………
うん!知らない人だ!
しかも、何で知らない人が馴れ馴れしく私の事を下の名前で呼んでるんだろう…
気持ち悪いなぁ…
早く話を聞いて、早く終わらせようっと…
「何の用ですか?」
「ちょっと見てみて欲しい物があってね…」
はぁ、何よソレ…
そんな用で私を…………………………………………
「よく撮れてるでしょ?お気に入りなんだ♪」
其処には白濁液に塗れたコンドームを辺りに散らし、裸で眠りこけている私と両手でピースをしているコイツだった。
「なっ、何これ!?直ぐにそれを渡しなさい!」
「おや、良いのかな?そんな態度で。うっかり拡散しちゃいそうだ。それにバレたらヤバいんじゃない?君が…」
別の男と寝ている姿を、彼氏に見られたらさ…
嫌だ、嫌だ、そんなの絶対に…
「け、消してください…お、お願いします……」
「良いよ。」
「あっ、あり…」
「但し、1ヶ月俺のセフレになってよ。」
「そ、そんなの嫌に決まってます!」
「ふーん。そんな態度取るんだぁ。傷付いちゃったなぁ。よし、拡散しちゃおうっと♪君の彼氏にも直に…」
「そ、それは…」
「で、どうするの?」
嫌だ、絶対に人識くん以外に触れられたくない!
でも、それ以上に人識くんにバレたくない!
もし、バレたら、バレてしまったら……
彼は私を愛してくれなくなってしまう!
陽葵ちゃんと同じで、大好きに落ちぶれちゃう。
もう嫌なの!
好きなのに、絶対に振り向いて貰えないのが
「わ、解りました。なり…ます……だから、その写真は絶対に消してください………」
「うん、契約成立♪安心してよ、俺って約束は絶対に守る男だから。」
「じゃ、これからホテルに行こうよ。」と、奴は行ってきた。
身体中に悪寒が走る。
でも、言う通りにしないと…
私は為す術もなく彼の後を着いていく。
その道のりは、断頭台に向かう死刑囚の様だった。
助けて、助けてよ…
「人識くん…」
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます