ＮＴＲビデオレターを見た後に偶然事故死してしまった俺は…

第41話 最悪の現実

第41話

陽葵は俺が教えた部分を話し始める｡

此処から先はお前だって辛いだろうに…

それでもお前は話すつもりなんだな…

俺の替わりとして…

「なっ､直ぐに乗り換えるなんて！」

「これに関しては私が悪いの！取り返しが付かない傷を負ったひーくんを暦ちゃんが救ってくれたの！私は心の底から感謝してるし､誤解しないで！」

「なっ､そうですか…」

少しだけ納得できない様な顔をしているが､人織は引き下がってくれた｡

しかし､陽葵…

お前､そんな事を思ってたんだな…

「でも､事件が起こった｡」

「事件？」

おい､まさか!?

「ちょっと､待…」

「暦ちゃんがひーくん以外の男に抱かれているＤＶＤがと届いたの｡」

「えっ…」

コイツ､話しやがった！

この話はお前と雫以外にはぼやかして話す位には重い話だぞ!?

それに､そんな話をしたら…

「う､嘘よ…私を騙そうとしてる……」

「偽物かはどうかは解らないけど､本当に起きた事なの｡貴方の叔母に当たる真宵ちゃんも見ているわ…」

「そ､そんな…」

今､彼女はどんな気持ちなのだろうか？

間違いなく､最悪の気分だろう…

「それを見た後､ひーくんは事故で死んだ｡車に轢かれて､ね｡」

車は何時だって俺を苦しめる｡

正に､俺の天敵だ｡

「ああ､そう言えば､これじゃひーくんに起きた事を話しただけになっちゃうね｡」

と､人織が黙りこくってるのにも関わらず､彼女は話を続ける｡

「そうね…私たちがそうした部分もあるんだけど､エゴの塊みたいな人なの｡」

「うっ…」

また流れ弾が！

「未練がましいとも言うわね｡一度愛した人を愛する事を止められず､文字通り何でもしかねない人｡例え､どんな仕打ちを受けたとしても､救いを求めてる人を人をほっておけない最低な人｡」

「まぁ､そんなひーくんを好きになっちゃった私も大概ね｡」と､彼女は呟いた｡

俺は何て言えば良いか理解（わか）らなかった…

雫､お前は俺の事を…

「…帰ります｡」

「大丈夫か？」

「大丈夫だよ､お邪魔したね｡」

と､ふらふらした足取りで去っていく人織｡

絶対､大丈夫じゃないだろ…

「ひーくん！」

「たーくん！」

「「早く､追いかけて！」」

「解ってるよ！」

今のアイツはほっておけない｡

それに…

アイツが暦と俺との子供なら…

「命懸けで守らなきゃ親失格じゃねぇか！」

絶対に早まるなよ､人織！

続く