幕間5 Re:0から始まる親子関係

幕間5


陽side


目が覚めると、知らない場所に居た。


「知らない天井だ…」

「ふふ、ひーくんと同じ事してる…」

「えっ、お母さん!?」


そうだ、此処はお母さんの家だった!?


あれ、巧望くんは?


一体、何処に…


「もしかして、ひーくんを探してる?」

「ひーくんって、やっぱり巧望くんの事?」

「そうね、今はそんな名前だったわね。ひーくんの前世の名前は人識だったから、ひーくんなの。」

「そうなんだ…」


今の幼馴染の雫ちゃんにもたーくんって呼ばれてたよね。


そういう運命なのだろうか…


「ひーくんは帰ったよ。親子水入らずに邪魔する奴は投げの鬼ガイアに殺されるって…」


投げの鬼ガイア


何の事だろう?


いや、それよりも…


「大丈夫なの、お母さん…」

「…そうね。正直、大丈夫じゃないわ。今でも違和感が止まらないもの。」

「そう…なんだね……」


やっぱり、真正面から言われると辛いよ…


でも、これ以上はお母さんをより苦しませ…


「でも、もう逃げないわ…」

「えっ…」

「私に陽の事を教えてくれる?」


それって…


「…うん!話したい事がいっぱいあるの!だから、だから……」

「ええ、いっぱい聞かせてね。時間は沢山あるんだから…」


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陽葵side


「お母さん、もう食べられないよぉ…」

「ふふ、どんな夢を見てるのかしら?」


本当に可愛らしい子…


正直、未だに実感は持てない。


何より、ひーくんとの子供じゃないという現実が私を苦しめる。


それでも…


「待って、お母さん…」

「…………………………………………………陽。」


…本当に可愛らしい子。


記憶が無いのに愛おしく、大切な物に映るなんて…


「ごめんね、陽。もう少し、もう少し待ってくれるかな?」


もう、私は逃げないから。


記憶が戻らなくても、戻ったとしても、もう二度と私は…


…貴方のお母さんは止めないから。


続く

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