第30話 双子の姉

第30話


次の日、俺達は屋上で昼飯を食べていた。


だが、その中に…


「「「…………………………………………」」」


双子の女の方も居た。


えっ、モブくんと弟の方はどうかしたって?


可哀想だが、外れて貰った。


流石に聞かれる訳にはいかないからな。


まぁ、今度マック奢るハメになったが、安い物だ。


でも、俺自体はモス派なんだよなぁ…


弟の方は最初から呼んでない。


何か変に拗れそうだし…


「…ああ、まぁ、気不味いのは解る。だが、何か話そうぜ?」

「じゃあ、その子誰?」

「ん?雫か?コイツは俺の幼馴染だな。付き合ってはないが愛してる存在だ。後でお前の弟に言っといてくれ、手を出したら殺すって。」

「たーくん♡」

「う、うん。伝えとくね…じゃなくて、貴方達、付き合ってるの!?」

「「いや、全然。」」

「えぇ…」


だが、これで肩の力がほぐれたのだろうか?


少しずつ、会話が続くようになる。


そして、彼女は核心に迫ってきた。


「で、どうだったの?」

「何がだ?」

「わざわざ弟の葵をハブって私を呼んだんだもの。お母さん関連に関して、何か合ったんでしょ?」

「鋭いな。アイツに似て鈍感だと思ったが、案外そうでもないみたいだ…」

「むぅ、何でそんな訳知り顔ができるのよ…」

「実際、訳知りだしな…」

「うーん、もうストーカーとは疑ってないけど、お母さんとどんな関係なの?」

「それは…」


果たして、言って良いのか?


うーん、信じてくれるかどうか…


仕方がない、先に会わせるか…


「それは少しややこしくてな。ちょっと待ってくれよ…」


と、少し彼女達の元から離れる。


そして、電話をかけ…


「もしもし、陽葵?」

『ひ、ひーくん!な、何の用かな?』

「今日、お前の家に行くわ。」

『えっ、良いよ!何時でも大歓迎だよ!』

「唯、お前の娘も連れて行く。」

『そ、それは…』

「どうせ、過去からは逃げられないんだ。早めにケリを着けようぜ。」

『う、うん。そ、そうだね…』

「よし。じゃ、また後で。」


はぁ、修羅場不可避だな…


でも、頑張るしかない。


先に姉の方を落としときゃ、弟の方も多分何とかなるだろうし…


「誰と電話してたの?」

「お前の母親。」

「えっ…えっ!?」

「まぁ、そうなるよね…」

「だろうな。」


反応が面白そうだから答えてみたけど、面白いなコイツ…


顔はまんま陽葵なのに、全然違う面を見せてくれる。


「今日、俺に着いてこい。お前の母親について、色々と話してやるから…」

「まさか、変な所に…」

「大丈夫だよ、えっと…陽さんだっけ?たーくんのは立たないから!」

「えっ、そうなの?それは、えっと…」

「雫さん?」

「あっ、今のなし!」

「遅いわ!」


何でそういう事をバラすかな、君?


「何か、ごめんね…」

「勝手に憐れむな!」


今、無性に帰りたいわ…


誰か助けて…


続く

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