幕間1 音崎 暦は人識が好き その1

幕間1


私には初恋の相手が居る。


その子の名前は、一崎 人識。


同い年の男の子だ。


出会ったのは小学生の頃だった。


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「ぐすっ、ぐすっ…」


私はこの町に来てから、初めての遠足に来ていた。


見慣れない土地、見慣れない風景。


その全てが綺麗に映った。


まぁ、転校して直ぐの行事だったから、友達も居らず、楽しむのがそれだけしかなかっただけなんだけどね…


で、少し調子に乗っちゃって…


「此所、何処なの?」


迷ってしまい、途方に暮れていた。


私は泣く事しか出来なかった。


本当に無力だった…


でも、そんな私に…


「おい、大丈夫か!」


手を差し伸べてくれる人が居た。


光が射し込む様に、心が温かくなっていくのを感じた。


「ほら、もう大丈夫!俺に着いてこい!」


と、彼は私を引っ張ってくれた。


これが私の初恋だった。


そして…


































…決して報われる事のない恋物語だ。


続く

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