第23話 来るのが早過ぎるby朱里

第23話


再会を果たした俺達。


歳も離れ、肉体も時間も飛び越えた。


だが、今、この世界で、


俺達は再び出会ったのだ。


だが…


「ごめん、陽葵。」

「えっ、ひ、ひーくん?」

「もう、限界…」

「ひーくん!?」


と、俺は倒れ込み、意識を失っていく。


ちょっと、色々と溜め込んだ物が爆発しちゃった♪


まぁ、要するに…


…容量オーバーでパンクしたのだ。


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『あはは、かなり早い再会だね。』

(煩い。それは俺の台詞だ。)


また、この真っ暗闇な世界に居た。


全く、本当に気持ち悪い世界だ。


『しかし、笑ったよ。まさか、パンクして倒れる人間が居るとはね。』

(まぁ、それは俺も同感だよ。)


倒れたのは俺だけども…


『うーん、流石に早過ぎる再会だね。もう少し現状を話すのは間隔を置いてじゃないと面白くないと私は思うんだよ。』

(はぁ、解ったよ。前の問の答えは今度聞く。だが、別の質問に答えろ。)

『うん、良いよ?何でも聞いて。今なら出血大サービスでスリーサイズも答えちゃうよ?』

(どうでも良いわ!それより、此処は何処なんだ?)


と、俺は尋ねる。


すると、彼女は愉しそうに…


『此処は私とあの化け物の心象世界さ。』


『解りやすく言えば、固有結界みたいな物だよ。』と彼女は答えてくれた。


此処が心の世界だとすると、コイツはどんだけ闇を抱えてるんだ?


本当に人間なのかよ…


『人間だよ。私はあの化け物とは違う。』


と、今までとは違うトーンで返してきた。


その目は全てを呑み込む様に真っ暗で、ブラックホールかの様だった。


しかも、全てを燃やし尽くすかの様な怒りも感じ取れる。


成程、地雷を踏んじゃったな…


『ごめん、怖がらせちゃったね。』

(良いよ、今のは俺が悪かった。)

『…本当に良い子だね、君。やっぱり、君の事好きだよ私。』


えっ、突然の告白!?


それはヒロインの特権だろう?


まさか、俺のヒロインは…


『残念、私はヒロインにならない系モブです!』


いや、お前みたいなモブは居ねぇよ。


『この世界ではモブみたいな物だよ。物語には居ても居なくてもどうでも良い存在さ。』


へぇ、そんなのか。


紅生姜みたいな存在なんだな…


『それに安心して。君は二番目だよ。リュー君の次に君は大好きさ。』

(誰だよ、ソイツ…)


知らない人の名前出されても、悲しむ事すら出来ねぇわ。


しかも、二番目とか普通に嬉しくねぇよ。


『ん?そろそろ時間だね。ほら、早く起きなさい。』

(えっ、ちょっ、また!)


と、前回と同じ様に闇が纏わり付く。


(嘘だろ!?またかよぉぉぉ!)

『バイバイ、また来てね♪』


二度と来るかぁ!


そんな心の叫びと共に、意識が反転した。


続く

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