幕間2 悪夢の始まり/歪みが正される日

幕間2


僕の名前は高崎 優輝ゆうき


僕には綺麗な妻である陽葵が居て、自慢の子供達である双子のはるあおが居る。


陽葵とは高校から付き合いで、彼女との出会いは彼女につきまとっていた男から守った事だった。


そこから交流が始まり、クリスマスに付き合う事となった。


そして、結婚して二人の子供が産まれた。


全てが順風満帆だった。


あの日までは…


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とある日、子供達を連れて彼女の実家に来ていた。


子供達は可愛がって貰えるのだが…


「あら、居たのですか。」

「お久し振りです、お義母さん。」

「…………………ええ、そうね。」

「ちょっと、お母さん!」


と、僕は彼女の親に好かれていない。


寧ろ、何回も反対された。


最終的に陽と葵が出来た時に渋々許してくれたのだ。


まぁ、お義父さんは絶対に首を立てに振らないまま亡くなってしまったが…


本当に何故なのだろうか?


「今日は久しぶりにデートしない?思い出の場所をさ?」

「子供達はどうするんだ?」

「大丈夫だよ、お父さん!私達はもう中学生だよ?」

「そうだよ。二人でイチャイチャしてきなよ。」


と、快く送り出してくれた。


何故か、お義母さんだけは苦虫を噛み潰した様な顔をしていたが…


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「ふぅ、楽しかったね♪」

「うん、久々に癒やされた気分だよ。」


思い出を巡る時間は楽しかった。


過ぎ去ってしまった青春時代を巡る旅。


その一つ一つが輝かしい思い出であり、大切な宝だったのだ。


だが…


「でも、あの女には困ったわね…」

「ああ、あの子ね…」


彼女の実家に行くと、高確率で変な女性に出会うのだ。


彼女は僕達(主に陽葵)を親の敵かの様に睨んでくるのだ。


理由は解らないのが本当に怖い。


今度、警察に相談してみようかな?


「まぁ、そんな事は良いわ!早く帰りましょう!子供達が待ってるわ!」

「そうだね、帰ろう。」


だが、現実は空気を読まなかった。


僕達へ目掛けて、車が突っ込んでくる。


「危ない!」

「きゃっ!?」


僕は咄嗟に彼女を庇いながら飛ぶ。


ギリギリの所で避けられ、車は近くの家の壁に突っ込んでいった。


「はぁはぁ、危なかった…。陽葵、怪我は?」


だが…


「車…事故……庇われ………えっ?」


と、何か呟いている。


そして、俺を見て…


「嘘、嘘だ…」

「ひ、陽葵!?」

「きゃぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


彼女は叫び、暴れ始める。


僕はその時の彼女の目が忘れられない。


だって、俺を見つめる彼女の目は…


…まるで、怪物を見た様な、怯えと恐怖に満ちた目だったのだから。


続く

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