幕間1 人織の日常/妹の想い

幕間1


人織side


私の名前は一崎 人織。


可憐な中学2年生です!


「何してるの、人織?早く学校行きなさい!」

「うん、行ってきますママ!」


私のママの名前は 


たった一人で私を育ててくれた自慢のママだ。


えっ、パパはどうしたのかって?


死んだみたいなんだよね、私が産まれる前に交通事故に合って…


「許さない…」


ママを独りにして死んでしまったパパが憎い。


ママと私を置いてけぼりにしたパパが嫌い。


そして、何より…


「ママにあんな事をさせているパパなんて大ッ嫌い!」


ママは毎日、泣いているのだ。


パパの写真を見て、「ごめんなさい、ごめんなさい!」と…


私は悔しくなった。


頑張って私を育ててくれたパパが余計に憎く、嫌いになっていく。


「はぁ、でも、一番嫌いなのは…」


何も出来ない、私自身なんだよなぁ…


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真宵side


死んだ筈のお兄ちゃんが生きていた。


正確には転生したお兄ちゃんだが…


「はぅわぁ、本当にお兄ちゃんだった!」


勿論、転生したので、全く違う存在だった。


でも、与えてくる物全てがお兄ちゃんだった。


私に言い聞かせてくる様な声。


私と喋る時の仕草。


優しく撫でてくれる手の心地よさ。


適度な強さで、痛くない様に抱き締めてくれる技術。


その全てがお兄ちゃんなのだ。


「お兄ちゃんは今度こそ…」


あの今世の幼馴染は、お兄ちゃんを幸せに出来るだろうか?


まぁ、無理なら…


「私がその役目を貰うだけだ。」


それにお兄ちゃんを裏切ってみせろ。


今度こそは、私が地獄に落としてやるからな。


続く

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