第13話 はじめまして、ひさしぶり
第13話
大きくなったな…
素直にそう思った。
俺が死んだ時は確か12歳だった筈だ。
つまり、もう妹は20代なのだ。
大きくなるし、歳も取る筈だよな…
って、そうじゃない!
妹が色っぽく育ったのは嬉しいが、今はそんな事を気にしてる場合じゃない!
アイツは一体誰を…
「雫、隠れるぞ…」
「う、うん。あの怒鳴ってる人、たーくんの知り合い?」
「前世での妹だ。もう一人は顔が見えんから解らんが…」
「えっ、義妹ちゃん!?」
おい、何か発音が可笑しくないか?
想像通りの意味だとしても、今世じゃ全くの無関係だからな?
「いいから帰ってください!」
「うん…また来るね。」
「二度と来るな!」
と、相手は帰っていく。
しかし、あの姿…
何処かで見た事がある様な…
「…しつこい。」
おや、真宵の様子が…
「しつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこい!」
ああ、懐かしい。
アイツ、抱えきれなくなると爆発してキレ散らかす癖あったなぁ…
でも、大人になってまで直ってないのか…
何となく、俺のせいな気もするが…
「それに…」
「ん?」
「あっ、まさか…」
奇遇だな、雫…
多分、俺もお前と同じ事を思ってる。
「さっきからコソコソ見てる奴等は何!?」
やっぱり、気が付いてたかぁ…
そう思い、俺達は影から姿を現す。
そして…
「相変わらずだな、真宵。」
「えっ、キモッ!何で私の名前を知ってるのよ!」
「知ってるさ、色々と。」
「はぁ!?」
「はじめまして。そして、久しぶり。俺の名は雪崎 巧望。前世での名は、一崎 人識だ。」
続く
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