第9話 約束は守る物

第9話


その後、彼は真正面から雫にそう言い、フラレていました。


それを見て、俺は笑ってしまった。


いや、そりゃ笑うよ。


コイツにとっての恋敵である俺のアドバイスに従うか、普通?


雫は不満そうだったが、俺はコイツと仲良くしたいと思った。


そして、色々と話し合える仲となった。


人生、何が起きるか解らない物だ。


いや、転生してる時点で何でもありか!


「で、巧望。お前はどうするつもりなんだ?」

「ん?何がだよ…」

「しず…恋崎さんと付き合わないのか?」

「うーん、無いな。」

「何でだよ、あんなに可愛いのに…」

「俺にも色々あるんだよ。話すつもりはないが、トラウマが少々な…」


しかも、前世でのトラウマがだ。


情けない上に、好意前回な乙女の感情を解ってる上で無視し続けているのだ。


全く、愚かにも程がある。


俺は間違いなく地獄へ堕ちるだろう。


「そっか…で、お前は恋崎さんが誰かと付き合ったらどうするつもりだ?」

「応援するさ、余程のクズじゃない限りはな。クズだったらぶっ飛ばすけど。」

「お、おう…」


おいおい、何でそんな冷や汗出してるんだよ…


そんなに寒いか、此処?


「…そろそろ、覚悟を決めた方が良いかもな。」

「何をだ?」

「決着を着ける覚悟だよ。」

「もしかして…」

「はは、これ以上はノーコメントだ。」


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雫side


私は聞いてしまった。


たーくんが私と付き合わないと…


「どうして…」


私は悲しかった。


あんなにアピールしてるのに…


こんなにも大好きなのに…


「待って、たーくんは…」


トラウマが云々と言っていた。


私の知らない間に、誰かが何かをした?


そのせいでたーくんは私と付き合わない?


結婚して夫婦にならない?


なら、そのトラウマの原因を…


「消してしまえば良いんだ♪」


そうすれば、たーくんのトラウマも直るだろう。


「よし、今日も一日頑張るぞ♪」


と、張り切ってみせる。


約束したんだ、たーくんと。


もし、たーくんが約束を守ってくれないのなら…


「殺して一緒に死のうね♪」


でも、どうせなら生きて一緒にお墓に入ろうね♪


そんな事を考えていると…


「おお、雫。こんな所に居たのか。今日、お前に話したい事があるから、お前の家に行っていいか?」

「うん、良いよ♪」


ついでに、既成事実も作ろうね♪


そして、ベッドの上で永遠の愛を…


「きゃっ♪たーくんのエッチ♪」

「何故に!?」


続く

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