第2章 目覚める愛 追いかける過去
第7話 見る目が変わる 面倒も増える
第7話
あの出会いから、数年が経ち、俺は中学生になっていた。
いや、小学生の頃は本当に色々あったなぁ…
俺と雫が一緒に居たら定番の…
「お前ら付き合ってんのかよ!」
「夫婦!夫婦!」
「お似合いじゃん!」
と、この年特有の煽りが喚き散らされ、俺達を嘲笑ってくる。
俺は別に気にしていない。
ちょっと、本気で煩いから黙らせようと思っただけだ。
だが、雫は心配だった。
これでも一応は幼馴染だ。
面倒なガキとしてしか見ていないが、愛着も湧くし、情も湧く物だ。
しかし、このクソガキは…
「えへへ、そうなの♪私達、夫婦なの♪だって、約束してくれたんだもん♪」
と、言って余計に乗っかってきた。
重い、重いです…
お前、人がお前を普通に支えられるからって、乗り続けて良い訳じゃないからな!
乗るならもっと痩せてからにしてくれ!
だが、女は化ける者。
俺はそれを忘れていた。
何故なら…
「あっ、たーくん♪私を置いてかないでよ!」
「雫、その抱き着き癖を直せ。後、重い。」
「えっ?私、軽くなったよ?」
「そうだな、お前は痩せたし綺麗になったよ。でもね、人の体重って普通に重いのよ。」
「えへへ、たーくんが褒めてくれた♪私の事を綺麗って♪」
「聞けや!」
この
どんだけ嬉しいんだよ、全く…
ていうか、さっさと覚めてほしい。
俺は未だに暦の事を吹っ切れてない。
つまり、コイツの心には答えられない。
…我ながら最低だな。
「可愛い…」
「でも、アイツが居るしな…」
「羨ましい。」
「何であんな陰キャみたいな奴が…」
「バッカ、お前知らないのか?」
そして、面倒な事も増えた。
雫はお世辞抜きで綺麗になった。
太っていた身体も痩せ、モデルみたいなナイスボディに変貌し、ヤマトナデシコの風格を纏っている。
特に胸部の脂肪はより凶悪な物に進化している。
俺は暦のしか好きじゃないが、つい目を吸い寄せられてしまう。
でも、暦は…
…って、まだ自爆してしまったじゃねぇか!
俺はマルマインか!?
まぁ、思春期だから仕方がないよね。
でも、絶対に面倒が起きそうなんだよなぁ…
「あっ、もう学校に着いちゃった!そろそろお別れなんて嫌だよぉ!」
「クラス別なんだら仕方がないだろ。」
「解ってるよぉ!だから、嫌なんだよぉ!」
「めんどくさいな、コイツ…」
「ああ、たーくんがめんどくさいって言った!捨てる気なんだ!」
「捨てねぇよ!?」
そもそも飼ってねぇしな!
こうして、何時もの中学生活が始める。
背中に不穏な視線を感じながら…
続く
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