第5話 最初の交わり

第5話


それから、時間は経っていく。


精神年齢が大人だと、かなり幼稚園というのは辛い環境だ。


兎に角、煩い。


俺個人は大きな幼女に抱きつかれてるし…


直ぐに泣き、直ぐに喧嘩する。


お陰で変な気を回さなきゃいけなくなるのだ。


精一杯頑張ってその場を収めていると、何故か逆に先生達に懐かれた。


挙句の果てには、拝む奴まで現れ出した。


おい、お前達の仕事だろ?


人(一応は幼児)に仕事投げてんじゃねぇよ!


「へへ、たーくん♪」

「なんだ、しずく?」

「へへ、よんだだけ♪」


この幼女は何処でマセた言葉を覚えてくるのだろうか?


後、名前は最近知った。


興味は無かったのだが、名前で呼んでとシツコクせがまれたのだ。


確か、恋崎こいざき しずくだっけ?


「たーくん、すき♪けっこんする♪」

「はいはい、おおきくなったらな。」


『大きくなったら結婚しよう!』とか言われてる父親とか叔父とか、こんな気持ちなのだろうか?


かなり複雑な気持ちになるな…


真面目に考えるには未熟すぎるし、これがガチでも困る。


はぁ、本当に面倒だなぁ…


と、何やかんやで若い時間を過ごす俺であった。


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最近、やっと公園とかに遊びに行って良いようになった。


「はぁ、過保護なのも考え物だな…」


そろそろ、小学校に通うというのに、遅すぎるのではないのか?


いや、育児経験がないから、あまり文句は言えないのだが…


…俺は彼女と一緒にやってみたかったよ。


暦、何でお前は…


と、自爆して落ち込んでいると…


「ねぇ、君一人かの?私と遊ぼうよ!」

「ん?良いけど…………えっ?」


振り向くと、そこには幼女がいた。


いや、唯の幼女なら別に良いのだ。


だが、この幼女は…


「暦?」

「なに、私の顔に何か付いてる?」

「いや、大丈夫…」

「なら、良かった!私は一崎いちさき 人織ひとおり。君の名前は?」

「俺か?俺は…一…雪崎 巧望だ。」


こうして、俺は彼女と出会った。


この出会いが、過去と現在を交えて物語を揺るがしていく事になる事を…


彼女の顔に見惚れてしまっている俺にとって…


…まだ知らない未来の話。


続く

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