第4話 これが幼馴染という概念か…

第4話


その後はというと、


「たーくん、大好き!」


と、この幼女に懐かれました。


滅茶苦茶抱き着いてきて、腕に柔らかい物が当たる。


でも、何とも思わない。


肉体年齢のせいもあるだろうが、あの時から女に何も思わなくなった。


当たってる柔らかい物も、唯の脂肪だ。


しかも、胸じゃないし…


ん?


何故、たーくんかって?


そう言えば、この姿になって自己紹介をしてなかったな。


俺の名は雪崎ゆきざき 巧望たくみだ。


…誰に何を言ってんだろ、俺?


「あついから、はなれて…」

「やー!」

「いや、やーって…」


お前、デカいし大きいから潰れそうだし、暑いんだよ!


まだ幼子だから許されてるだけで、大きくなったらこの絵面だけで拒否感出る奴も居るからな?


「たーくん、だいすき!」

「そうか…」


俺は何も返せなかった。


この幼女にとっては本心だろうし、小さいが故の一時の気の迷いでもあるのだろう。


だが、俺にはそれに答える余裕は皆無だった。


全てが溢れ落ちていく。


はぁ、何でこんな幼子なんかに迷わされてるんだよ、俺…


「おおきくなったら、けっこんしようね!」

「…ああ、わかったよ。」

「ありがとう!げんち?とったよ!」


怖っ!


最近のガキってマセ過ぎじゃね!?


ていうか、何処でそんな言葉を覚えたんだよ…


だが、俺はこの言葉を後悔する事になる。


まぁ、その話はもっと先の未来の話なのだが…


----------------------------------------------------------------


??side


「アレが今の甥ですか…」


思ったより、私が変えた世界の影響は大きい様だ。


アレは傲慢で不遜の塊だった。


はっきり言って、吐き気がする程に。


生まれた時からずっと…


でも…


「最早、別人ですね…」


まるで、別の魂が入り込んだみたいに…


「まぁ、気にするだけ無駄ですか。私の目的は、そもそも別にあるのですから。」


全ては奴の監視。


もう二度と、奴がこの世界に復活させない為。


もう二度と、奴がこの世界に干渉してこない様にする為。


「本当に忌々しい存在ですね、朱里。いや…」


本当に認めたくないが、認めなければいけない現実。


「…?」


続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る