第15話 新しいクエスト
「よし、集まったね」
「でも、アカリさんは?」
「あー、アカリはね…」
「な、何かあったの?」
「友達と買い物に行っているだけかな」
「そ、そんなリア充なことを…」
「うん、昼過ぎには帰ってくるから、夜には合流できるって言ってたよ」
「そうなんだ。どうしたのノエさん」
「いえ、リア充過ぎて少しついていけなかっただけです」
「えっと…」
じゃあ、今こうやって休みの日にみんなでなんだかんだで集まってゲームしているのも、結構なリア充になるんじゃないのかと思ったが、それを言ってしまえばまた何か言われそうなのでやめた。
アカリさんがいないとなると、ここからはどうするのだろか…
現在は現実世界ではまだ、朝の九時で、こんな朝早くからゲームをしているということを考えると、ゲーム廃人になったようで、少し笑える。
ただ、ゲームにしてはリアルすぎるこの世界に、僕は本当にはまっているのかもしれない。
そういえば…
昨晩あったことを思い出し、ポケットの中をあさる。
くしゃりと、手に紙が当たる感触がある。
やっぱり昨日あったことはちゃんと、現実だったか…
そんなことを一人思う。
ああいうイベントを、この場で言うべきか、もしくは言わないべきか…
でも、言ってしまうと、特にノエさんなんかはこういうイベント的なことが好きそうなので、どこで起きたものなのか、どんな見た目だったのか、写真はなかったのかなどいろんなことを根掘り葉掘り聞かれそうなので、それはそれで嫌だ。
ここは隠しておこう。
そんなことを思いながらも、今更ながらに注目を浴びながらも、僕たちはギルド内にいた。
「あの、そろそろ、クエスト受けるのであれば決めてもらえますか?」
エリカさんに怒られてしまうくらいには、僕たちはギルドですでに話し込んでいたのだ。
ここで、悪いのは僕たちなので、謝っておくことにする。
「エリカさん、ごめんなさい。」
「いえ、マヤさんのことは気にはしておりませんが、それでもどのようなクエストをお探しというのはありますか?」
「うーん…」
そこで考えてみるが、特にこれといって、受けたいクエストというものはなかった。
ただ、少し気になっていることがあった。
「もし、ほかの国へ行くというというのはありですかね?」
「ええ、それは構いませんが…ノートル王国に行く場合にのみ、注意が必要です。」
「どうしてですか?」
「ご存知かはわかりませんが、ここマーテル共和国とノートル王国は以前まで戦争を行っていました。そのため、基本的に行ったとしてもあまり歓迎されないというのもありますが、そもそも国に入れないということもありますから…」
「そうなんですね。」
「はい。そうですね。しっかりとした地図を見ましょうか」
エリカさんは、奥に少し取りに行くと、もってきてそれを机に置いた。
初めて見る。
そこにはちゃんとした、大きな地図があった。
書かれている内容は、東というべきか、一番右に書かれているのが、マーテル。
下がカイ、上がスノー、左がノートルと書かれている。
方角もわかりやすいものだ。
ただ、真ん中は空洞というべきか、森が書かれているだけだった。
「えっと、真ん中の森はどういう意味があるんですか?」
「あはは、気になりますよね」
「それは、その…はい」
「わからないというべきか…この場所は別名死の森、もしくは魔の森ともよばれています」
「なるほど、でも気になるのは、どうしてお互い反対で、さらには面していないはずのマーテルとノートルは戦争をしていたの?」
「そうですね…簡単に言いますと、この森は十年前に急にできたものなのです」
「え…」
「なので、この真ん中にある土地をめぐって両者が争っていたわけなのですが、そのタイミングで突如として現れたのはこの森でした。最初はただの森だということで、調査が行われたのですが、調査に行った人々は帰ってくることがなく、そのため死の森と呼ばれ、それにより戦争は終結しましたが、それでも今もわだかまりがあるということになりますね」
「そうですか…」
「はい。なので、死の森と、ノートル王国には近づかないほうがいいと思いますね」
死の森か…
急にファンタジー感がでてきた。
気になることは気にはなるが、それでも今自分たちが、そこに行ったところですぐに死んでしまうのは目に見えているので、行きたいとは思わなかった。
となると、最初はスノーかカイか…
まあ、普通に考えるとカイだよな。
流通都市っていう名前も気になるところだし…
「マヤ様は違う国に行ってみたいのですか?」
「そうだね。ずっと同じ場所にいるっていうのもあれだし、少しでもいろいろなところを見てみたくてね」
「そうですか」
「マヤやんは、見ているけど、流通都市に行きたいんだね」
「そうですね」
「ノエはどう思う?」
「マヤ君が行きたいのであれば、わたしはいいと思うよ。掘り出し物のアイテムを探す意味でも、その場所に行くっていうのはわたしもありだと思うしね」
「えっと、それじゃあ、行くって方向でいいんだよね」
「はい、それで私たちは構いませんが…」
「アカリさんはいいの、シズエさん」
「うーん、いいと思うよ。距離がどれくらいっていうのもあるけど、普通に行けば馬車で一時間くらいだしね」
「えっと、エリカさん…」
「そうですね。馬車で、だいたいにはなりますが、国と国を分ける砦までで四十分くらいでしょうか」
「そうですか…」
地図を見る。
今言っている、砦というのは国と国とを繋ぐ橋に、お互いの国ごとにある要塞のことを言っているのだろう。
というのも、地図に書かれていた内容にはなるが、国を分断するように、死の森と書かれた中央からそれぞれ四本の川が流れているのだ。
そして、それが国を分けているのだけれど、それによって国を行き来するためには砦を通って、さらには橋を渡る必要があった。
なるほどである。
というか、こうやってギルドでしっかりと最初に説明を受けるべきだったのだ。
今更ながらに失念していたというところだろう。
「時間は、一時間半くらいってことを考えると、確かに後で合流するっていうのもありだね」
「でしょ、連絡だけしておくからさ、それでいいかなって」
「シズエさんがそれでいいなら…」
「それでは、マヤさんたちは早速出発されますか?」
「えっと、一人誘いたい人がいるから、その人に会ってからかな」
「そうですか、それではこちらでは通行書の発行をしておきますね」
「通行書ですか?」
「はい。それがあると、マヤさんを含め、皆さんのことを保証してもらうものになりますし、通行するのにお金を割り引いたりしてくれる便利なものですよ」
「そうなんですか。有難くいただいておきます」
「わかりました、作成しておきますね」
その言葉とともに、エリカさんはギルドの奥に引っ込み、僕たちはギルドの外に出た。
「それで、マヤやん。誰を誘うのかな?」
「うん?シュウだよ」
「え…シュウかあ…」
「嫌だったかな?」
「そういうことじゃないんだけどさ…」
「まあ、でも行けないといわれるかもしれないから、誘ってみないとわかんないけどね」
「へえ、あの男は、マヤ様のお誘いを断る可能性があると…はいしか言えない体に、今から先回りしてやってきましょうか?」
「ちょっと、レイラさん、さすがにそれはダメだから…」
「ですが…」
「ですがじゃないよ。怒るよ」
「く…叱ってもらえる、こ、これは、ご褒美」
「レイラさん…」
「そ、そのジト目…懐かしくすら感じます。ありがとうございます。」
本当に、またパーティーの変態度が増してしまったよ…
そんなことを思いながらも、僕たちはシュウがいる武器屋に向かったのだった。
いつものように、地下に行くと、そこにはどこか考えこみながら、座っているシュウの姿があった。
「や!」
「お、おう…なんだマヤか…」
「なんだでは、ないでしょう。マヤ様が声をかけてくださっているんですよ」
「そうだ、そうだ」
「レイラさん、シズエさんも…師弟コンビとして、もしかして似てきました?」
「「ええ…」」
「ふ…類は友を呼ぶと言うからててて…」
「シュウ、何を言ってるのかな?」
「そうですよ、私は別にシズエとは仲良くありませんよ」
「ふ…いてえええ」
「そのバカにしたような笑い方がムカつくのよ」
そんなことをしながらも、三人の絡みを見ながらも、先ほどからあまり話すことのない、ノエさんに僕は話しかけた。
「どうかしましたか、ノエさん?」
「いえ、わたしももう少し武器を扱えるようになる方がいいのかと思いまして…」
「どうしてですか?」
「その、魔法といっても、放つまでには時間がかかりますし、特に混合魔法は溜めも長いですから…」
「それで、武器を少し見ていたってことなんだね」
「ええ…でも、わたしにはどんな武器があうのかわからないんですよね…」
「どうしてですか、他のゲームもやっていたということでしたら、ある程度のことがわかりますよね」
「確かに、わたしは他のゲームもやってはいたのですが、全て魔法専でしたので…」
「なるほど…」
魔法専というのは、魔法専門で行っている人たちのことだ。
普通のゲームであれば、魔法専の人がいなければ高難易度のクエストをクリアすることができないので、必要ではあるが、この世界は現実と近いという点があるため、どうして体を動かしたほうが速いときがあるのだ。
まあ、言ってしまえば現実に魔法はないから、それを頼るよりも多くの人が体を動かす方が楽だと感じるのだろう。
だからといって、ここでむやみに武器を進めるということもできない。
それには理由がある。
というのも、過去にあったことではあるが、オススメの武器があるとする。
ただ、それはゲームをやりこんだ人が使ったうえでは無類の強さを誇るものではあったが、使うためにはそれに見合う防具、このゲームにはないが、スキルなんかを含めるとかなりやりこまない限りは、そこにたどり着くことさえできない。
となると、結局のところ、下手に武器を進めてしまうと、その武器を使いこなすことができない限りは、なんだかおもしろくもないことをやらされているということになり、ゲーム自体が面白くなくなってしまって、ゲームをやめてしまうなんてことになりかねないのである。
そうなってしまえば、そもそも今のパーティーで魔法をかなりの高威力かつ、さらには戦局さえも変えられてしまうような魔法を使えるのはノエさんだけで、それ以外の人を知らないので、やめてもらわないためにも滅多なことは言えないというのが本音だった。
「でも、それを言うと、魔法に関してはまだまだ奥が深そうではあるんですけどね」
「そうなんだけど、今はちょっとお手上げかなあ」
「そうなんですね」
「そう…だから、シュウがついてくるなら、わたしも少しは武器を作ってもらおうかな」
そんなことを言いながら、シュウの方を見ている。
シュウたちは、ようやくといえばいいかはわからないが、からかいあいが終わり、こちらに向き直る。
「それで、マヤ。要件はなんだったんだ?」
「えっと、流通都市に…」
「オッケー、のった」
「最後まで言ってないんですが…」
「まあ、そういうなって…言いたいことくらいはわかるんだからさ」
「あそこまで言ってしまえばそうだよね」
「まあな。ようは流通都市に行くってことなんだろ?」
「そうだね」
「ちょうど俺も、武器作りに煮詰まっていたところだったから、いろんな武器を見るうえでも、いろんなところに行きたいと思っていたからちょうどよかったぜ」
「そう言ってもらえたならよかったよ」
ということで、シュウを入れた五人パーティーになった僕たちは、またギルドに訪れていた。
ただ、ギルドに入ると、中は少し慌ただしくなっていた。
どうしたんだろうと、疑問に思っていると、その中心にいる人物を見て、ぎょっとした。
あちらは逆にこちらを探していたようで、こちらを見つけると、寄ってくる。
「マヤ。久しぶりなのじゃ」
「イカルガ」
「どうしたのじゃ、そんな顔をして」
「いや、あなたはこの国の守護獣じゃなかったの?こんなところで油を売ってていいの?」
「ふむ、そのことじゃがな…少しわらわの耳に嫌な情報が入っての、それを調査してもらうためのクエストを出そうかと思っておったのじゃが、どれ、マヤ。おぬしを指名してクエストを出すことにするのじゃ」
「どんなクエストなの?」
「って、ちょっと待ってください!」
普通にイカルガと話をしていたのだけれど、それにエリカさんが慌てて割って入ってきた。
「ど、どうしたんですか?慌てて」
「いや、慌てますよ。うちらからすれば、イカルガ様はこの国を守ってくださっている存在なのに、そんな友達感覚に…」
「実際友達なのじゃ」
「そうですね」
嬉しそうに返すイカルガに、僕も当たり前とばかりに同意する。
それをエリカさんは、僕とイカルガを交互に見ると、少し頭を抱えながらも、どこか納得したように口にする。
「イ、イカルガ様がそういわれるのであれば、そうなのかもしれませんが、こちらとしてもさすがに驚きますので…」
「マヤとはそういうことだと思っていてくれればよいのじゃ」
「そうですか…」
「それで、クエストっていうのは?」
「それなんじゃが、少し奥で話をしてもいいかの?」
「はい、それは構いませんが」
話に夢中になっていて、気づいてはいなかったのだが、実はかなりの注目を浴びてしまっていたのだ。
それにこの光景をすでに見ているノエさんと違い、他の三人は驚きのまなざしでこちらを見ていたので、落ち着くタイミングとしてもよかったのかもしれなかった。
そして、僕たちは奥にある部屋に案内される。
「あらためて、クエストの説明をするのじゃ」
みんなが椅子に座り、エリカさんがお茶をもってきたところで、イカルガが説明を始めた。
「まず、わらわがお願いするクエストというのが、流通都市カイとマーテル共和国を結ぶ橋にある、流通都市カイ側の砦の調査というものなんじゃ」
「どういうことなんですか?」
「というのもじゃな、わらわは、この国全ての場所に一時間以内にたどり着くことができる。それによって、わらわはこの国を守っておるのじゃ。だが、いつものように調査をしておると、こちら側の砦にいるものに呼ばれたのじゃ」
「えーっと、呼ぶっていうのは…」
「マヤさん。それはこちらの方で説明させていただきますと、我々のようなギルドと国に使える騎士などの戦闘を行う、上層部にのみ与えられる笛というものがあります。その笛というのがイカルガ様を呼び出すことになるのですが、基本的には緊急のときにしか使うことはありません。そして、それが今回あったと…」
「そうなのじゃ…最初は杞憂なものとして、馬車を使ってギルドに確認の人をよこすというもので話がまとまりそうじゃったのじゃが、急にその砦から嫌な予感がしてじゃの…」
「それで慌ててギルドに報告にきたと…」
「そうなのじゃ…マーテルの方に来ればわらわでも対処ができるのじゃが、あちらの国で起こることは、わらわではいけないので対処ができないのじゃ」
「なるほど…」
「調査だけでよいのじゃ」
「戦闘はしなくていいということかな?」
「そうじゃな。くれぐれも無理はしないようにするのじゃ」
どうやら、本当にかなりの切羽詰まった状態のようだ。
緊急クエストといったところだろうか…
どっちにしろ、流通都市カイに行くためにもその道は避けてはとおれない場所になるので、それプラスでクエストを行えるのだとすれば、好都合といえば、好都合なのかもしれない。
ただ、気になっている点を聞いた。
「イカルガ、ちなみにクエストの報酬は?」
「ちょっとマヤさん?」
最初からそのことを聞くことに失礼だと感じたのだろう。
エリカさんがさらに慌てているが、イカルガは楽しそうに笑いながら、エリカさんのことを手で制して口にする。
「ふむ、そうじゃな。まずは危険なクエストになる予感がしておるゆえ、加護を授けるのと、マヤにこちらを授けるのじゃ」
そう言って、渡されたのは笛だ。
もしかしなくても、これはあれだろう。
「そうじゃ、先ほどの話にでてきた笛なのじゃ。これを使えば、マーテルにいる限りはすべてわらわを呼んだりすることができるというものになってるのじゃ」
「受けないという選択肢は?」
「ふむ、別によいのじゃが…むしろおぬしはそれでよいのか?」
「いや、ダメだね。それにどうせそこには遅かれ早かれ行く予定だったしね」
「そう言ってもらえると思っていたのじゃ…それじゃあ、わらわ鳥の守護獣として風の加護を与え、汝らに風の祝福があることを…」
簡単にイカルガは言葉を紡いだ。
ただ、これといった変化がない。
「えっと、さっきのは…」
「風の加護なのじゃ」
「特に変化がなかったと思うんだけど…」
「はて?…なぜじゃ?ほかのものはどうかの?」
「わたしはわかるよ、たぶんだけど、風魔法を使えば威力が上がると思う。」
「私もです」
「あたしは、体が軽くなったかなって思うな」
「あー、俺もおんなじ感じだな…」
「え?僕だけ何もないってこと?」
「お、おかしいのじゃ…それでも加護はかけたはずなのじゃ。ま、まあ、マヤよ。そういうことじゃ、頼んだぞ」
「え…送り迎えとかは?」
「できれば行ってやりたいのじゃが、わらわが近くに行ってしまうと、さすがに相手に感づかれてしまう可能性があるからのう…そうなると戦闘は避けられなくなってしまうのじゃ…わらわ一人だとともかく、周りを巻き込まないで戦闘するというのが難しいことを考えると、すまぬが今回は任せたのじゃ」
「そういう理由なら仕方ないかな」
「よろしく頼むのじゃ。」
その言葉とともに、僕たちはイカルガとエリカさんと別れて、ギルドから外に出た。
砦へと向かう馬車に向かう途中で、さすがにというべきか、レイラさんが口を開く。
「さすがに、聞いておきたいのですが、どうしてイカルガ様と知り合いになられたんですか?」
「それは、ちょっとしたクエストを一緒にやってかな」
「えっと、それは…」
「わたしもいたよ」
「く…どうして私も呼ばないのですか?それがマナーというものでしょう」
「マナーとかはわからないな、わたしには…」
「ノエ…あなたを尊敬し始めていたのに…この気持ちを返してください」
「そう言われてもですね。でもわたしは、マヤ君の恥ずかしい姿も見れて役得だったよ」
「待って、ノエ…それはあたしも喧嘩売られてる?」
「ふふふ…この中で一番マヤ君のことをわたしはわかっていますから!」
何この僕のことに対するマウント合戦は…
話題になっている自分自身がさすがに恥ずかしいよ。
そう思っていたのは僕だけではないらしく、シュウが近くによってきて、声をかけてくる。
「なあ、どうしてこんなことになってるんだ?」
「いや、ボクがそれを聞きたいんだけど…」
「確かにな。というか、あのノエですら、お前に気がないか?」
「ええ…ありえないと思うけど?」
「本当か?まあ、どうなるかと言われたら、まだわかんないよな」
「そうそう…それに…」
「それにどうした?」
「いや、なんでもない」
「そうか…まあ、俺たちは、こういう話は相槌を打つか、聞き流すに限るからな」
「ですね」
そう二人で話をしながらも、後ろでは女性三人が話しているのをたまにチラチラと横目で見ながら、近づく馬車乗り場に向かっていた。
ちなみに、先ほど言いかけたのは、学校の先生なので、気があるなんてことはありえないと思っている。
本当はシュウにもその話をしておきたいのはやまやまだが、シュウとはまだ現実で会ったことがないのに、ノエさんや、シズエさんとの現実の話をするのはマナー違反になってしまうと思うので、できなかったのだ。
というか、本当にないよね…
そんな漫画みたいな、生徒と先生が付き合うなんて話があるなんてこと…
ただ、嬉々として僕とのクエストのことを楽しそうに話すノエさんを見て、少しだけどうなんだろうかと疑問に思ってしまうくらいには、この状況に酔っていたのだった。
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