第二章 エピローグ

その後はなんだかんだと、みんなでワイワイと過ごし、それが終わると、それぞれログアウトする。


前回のときと同じ流れだ。


違うところといえば、前のときにはいなくなっていたシズエさんが、最後に残っている点だろうか…




「ねえ、マヤやん」


「どうしましたか?」


「あたしは、少しくらい強くなれたかな?」


「それはわかりません。それでも、朱莉さんと仲良くなれたのはよかったと思ってます」


「そうだね。」


「そうです。それに変わるというよりも、遠慮するのをやめましょうか」


「遠慮?」


「そうです。でもなんとなくわかったかも、ありがとうマヤやん」


「いえいえ」




そして、僕たちはログアウトする。


いろんなことがあり、疲れたのと、姉との用事があるため、次の日はログインすることはなく。


休みがあけた。


学校に入る前に、学校の前に人だかりができているのがわかる。


何かあったのだろうか?


そんなことを思いながらも、前に歩く。


そこにいたのは二人の美女だ。


朱莉さんは、これまでの派手な感じを少し控えめにした感じになり、制服の着崩しも最小限のものになっている。


そして、隣にいるのは静江さんだった。


それまでは、日陰者だと自分を卑下するような感じのいでたちだったが、そこにいたのは、しっかりと胸を張ることによって、これまでは少ししか協調されなかった胸がしっかりとラインをつくり、眼鏡も外し、これまでのあたしとは違うでしょというのが見るだけでわかるくらいだった。


会話も聞こえてきた。




「ちょっと、お姉ちゃん。さすがに恥ずかしいよ」


「でも、ここにいたら朝一番に、マヤやんに会えるんだよ」


「ちょっと、お姉ちゃん。ゲームネーム呼びはダメだって言ったよね?」


「それじゃあ、あたしはなんて呼べば?」


「真也は年下なんだから、君とか呼び捨てとか?」


「そうだね。それじゃあ…」




どうやら、会話を聞く限りでは僕のことを話しているようだ。


さすがに注目されるのはちょっと嫌だな。


そんなことを思い、踵を返そうとしていたときだった。




「あ、真也」




朱莉さんがこちらに気づく。


それで同じように静江さんもこちらを見た。


そして、こちらに走ってくる。


逃げれない状況に僕はその場に立ち止まっていると、抱きつかれる。




「真ちゃん。大好き!」




そんな言葉を聞きながら…


ただ、僕は呼ばれた名前によってどこか違うことを考えながらも、この騒がしい雰囲気を楽しいと思い始めていたのだった。

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