4-1
♪パチパチパチパチパチパチパチパチ
いつの間にいたんだろう。
部屋でぐっすり眠ってるはずのみんなが、ロビーに集まっていた。
おやおや、看護師さんや栄養士さんまでも!
「いやはや、恥ずかしいなあ!すっかり熱くなっちまった、はっはっは」
寛二さんが顔を真っ赤にして、「まいった」と頭をポリポリかいていた。
「すっげえいい話だったよ。俺、ちゃんと治して家族のもとへ帰らなくちゃ」
「ここに来て良かった!」
「寛二先生、すてき!
島の病院で担架切って出てったこと思い出しちゃったわ、うふふ」
みんなから感動の言葉を向けられて、寛二さんはますます顔を赤らめていた。
すてきな夜だった。温かい夜だった。
眠らなくて良かった。眠れなくてよかった。
この王国にワープしたときは、暗くて冷たくてもう一生元には戻れないって思っていたけど、それは私の考えすぎだって分かった。
元気になっても、今日のことはずっと覚えていよう。
ううん、覚えていなきゃいけない。
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