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ハランドゥル王国の一日は運動から始まる。

おなかによく効くマッサージから便秘を解消したり腸の活動を活発にするストレッチなど様々だ。

毎日ストレッチルームに集められ、先生の指導を受ける。

さぼっていたらすぐばれる。

メンバーにおさぼり常習犯がいるのだが、毎日のように怒られていた。

「厳しいことは十分分かっとる。だがしかし、これを切り抜けられないと、君たちは一生王国と家とを行き来する生活になるだろう。

私はそういう人を見るのはつらい。生活管理もできないだらしない人というレッテルを貼られてしまうのだよ」

ヨボヨボがよくそう言っていた。

後で分かったことなのだが、ヨボヨボは寛二さんという名前らしい。


私も最初はつらかったけど、今ではストレッチが気持ちよく感じるし、おかゆや湯豆腐のような体に優しい食事も苦痛じゃなくなった。

食物繊維たっぷりのサラダを食べた直後にトイレに行きたくなると、腸内が活発になってきたんだってうれしくなった。

天気がいい日は散歩をしたり山歩きをして、すがすがしい空気を体いっぱいに取り込む。

鳥のさえずりが応援歌のように聞こえて、自然と頑張れた。


「新山さんは変わった。目に見えてそう感じる」

王国に来て五日目の夜の面談で、寛二さんが顔をしわくちゃにして言ってくれた。

「来週もう一度検査をして問題なければ家に帰れる。ここで気を抜かないように」


王国に来て、食事を見直したりストレッチをすることで、私は大切なことに気づくことができた。

腸内はSOSを発信するまでに時間がかかる。

だからこそ、毎日労わってあげないといけないのだ。

暴飲暴食をすればするほど、腸は悲鳴を挙げている。

その悲鳴が大きくなると、胃炎んを起こしたり逆流性食道炎という恐ろしい事態になってしまうんだってことも教わった。

家族と離れ離れになったのは寂しかったけど、体を悪くして一生家族に会えなくなる前に予防できてよかった。


寛二さんは、厳しい裏にもちゃんと優しさと温かさもあるスーパーおじいちゃんだ。

そんなおじいちゃん先生から学ぶことは本当に大きくて、ありがたくて、私は王国を去ってもときどきはおじいちゃんの指導を受けたいななんて思い始めている。


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