16.判断・中 ゠ 言葉と情報の話
そう私が納得するに、しかし少女はやや
「って、ちょっと大仰には言っちゃいましたけど、こうやって反省ってものをちゃんと
「それだ。それは、お前の言うとおりだ。ごめんなさいと
「あ、それ。そうなんですよね」
これには少女にも、
「その、ごめんなさいって
「そうだな。そういう
「肝心の努力が維持できてなかったら、謝罪なんてふつうに失効しちゃいますし、その謝罪を根拠にしてた免罪までもが、自動的に無効になっちゃいますからね。それじゃあ
「完全に、その場
「困った話です。そんな感じで
「ああ。本人が
「
「ふむ。言われてみれば、そんな傾向がある気もするなあ」
「自分で
「
「
それでまた、ふたり
「ただ実際、そうやって反省して学習してくのって、
「ああ。そういう
「
「なに。
「
「ふむ。
情報。
なにかと軽視されがちではあるが、これは力。
強い力だ。
個に持てるものには限りが有るから、人の持ちうる最強の力は人脈、という事にはなる。
ただし個の範囲に限定するならば、実は情報こそが、
たとえば同じ大きさの札をたくさん用意し、うち一つにだけ印をつけてから
これに運任せで当たるは論外として、威圧や
ところが何らかの方法で、どれが当たりかと
その答えのとおりに
何かを知っているとは、それくらい強力な事なのだ。
なおその次に強い力としては、
拝金主義に傾倒した者は、財力こそ最強と推尊するが、こんなものは威力の前には無に等しく、さらには書類にまでも及ばない。
というか財力は、ほかに
単体ではせいぜい、人の心を多少
威力が強い作用を持つのは自明として、書類がさらに
また同時に、威力がその強大な力を失効させるのも、
人が数の力によって構成するのが
この世は書類で回っている、そう
情報とは、強い力なのである。
「
「あ、そうですね、まさしく。つまり情報に対して、ただ
「ふむ、
「まあ、
「それはそうだ、そうでなかったら
「それもですね。行動を起こす前には、
「ふむ、考えなしも
「まあ正確な判断なんて、追求するにも限界が有りますしね。気持ちだけは、
「だからと言って思考放棄をしていい、という事にはならないな」
「限界が有るってことは逆に、その限界までなら
「厳しいようだが、それを放棄するならただの怠慢。だな」
「個人の性格として、精査をしたくない。そういう事ならそれ自体は
「
「まあ、聴こえがいいからでしょうね。
「いや。どうもさっきから、
「ふふ。まあそういう事も、
なんだろう。
込みいった面倒な話を確かにしているのに、これは妙に
なぜこんな事に、なってしまうのか。
不思議だ、不思議がここに
そんな微妙な空気ながらも、話はつづく。
「まあそういう
「そうだな。そんな感じだ」
「でもそれって
「ああ、そんなでは
「はい。それでその、反省をするうえで検証に必要な、目安や基準になるのが知恵なんですけどね。知恵って、持てる知識から適切な情報を引き出すことで、問題に対する解法を得れるものなんですね。そしてそれって、知識が増えれば増えるほど密接に関わり合って、補強されてくんですよ」
「ん。いや、待った。知識が密接に関わり合う、か。そう言われると、なんだか
「あ、それはまあ、ええと……」
さすがに、私の持ちうる
それで少女はちょっと、うにうに
「はい。塩味、とかでしょうかね」
「しおあじ」
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