13.問題・後 ゠ 醜態と牽引の話
「えっとまあ、そういうわけでして」
ただ、
そこへは追及を向けずに、少女は次へと話を進めた。
「自分の考えを人へうまく、伝えれない。結果として人に、
「ふむ。それはまた、不便な構造になっているものだなあ。何でも独力で
「そうなんですよね。もっともそれって、関係者のあいだでしか通用しない
「それもまあ、あれだな。はっきり言っては悪いのかもしれないが、難しい話が理解できなくて
「どうでしょう。仲間はずれに、置き
「ああなるほど、そういう事も
こんなものは、手前が負けたのはお前が強いせいだからお前は悪者だ、などと
どんな居直りなのだ、とは思うが。
まあ実際にも、武によって完全に負かされようが、今日は調子悪かったが本当なら手前が負けるわけが無い、といった負け惜しみが
ときには、いずれか
私に言わせれば、勝負というのは本当に何でも
戦場ではどんな事情とも、相手は勘案など
そして、もし意図的な手妻によって勝てたのなら、それはそれで堂々たる大勝利。
これを
そういうふうに、
もっと言うなら勝敗関係なく、見苦しい態度を見せる事こそが不名誉であろう。
普段から
その姿は、もう情けないにも程が
「それどころか、
「そうだな。それはさすがに、何様なんだと思ってしまう」
「それでもどうにか、説明しようと
「無茶を言う連中だ。
「その複雑な部分を
「そういう苦労は、私も知ったところだなあ。だいたい説明なんて、
「ふふ。この辺の事情って医療分野でも
「いや。ついさっきお前、寄って
「……今日、
少女は
これは、
納得である。
「それにもかかわらず、新しい発見をしたとか、その
「話が
「ええ。功を
「
「それだけじゃあ、なくってですね。悪意なんか持ったりしない、信頼のおける者ばっかりでも、
「すれ違い、か」
「はい。常態的に
「難しいな。信頼できる人物でも、
「これってどこの
文句を言う、資格。
か。
「まあ、
「それです。だから
「
「そしてそれは、同行者が増えたなら、
「ふむ」
「それに、自分の意見が
「
「ええ。あとそれから、私の判断違いの責任を、他の
「それはいい事だ。責任どうこうと考え始めてしまうと、
「結果的にはみんなのために、って考えではいますから、自然とそうもなりますけどね。ただ、判断させないって縛り自体には、心苦しいものは
「そこはやっぱりそうなんだな」
「それはそうですよ。でも、つまるところは私の決めた目的にしたがって、動いてもらうわけですし。行き先が狂うのも困るんですよ。そこは譲れないです」
「ふむ。結局は、肝心な決め事ほど間違えるわけには行かない、というところが問題になるわけだな。そしてそれを防ぐには、どうしても自分で
「はい」
まあ、当事者の大変さとは往々にして、実際に自分の目で検分してみないことには、見えてこないものであるが。
しかしそれでも王とは、ここまで面倒な役目であるのか。
そんなものを、こんな小さな少女が担当するとは……いやまあ別に、
それにしてもちょっと、
「よく
「ふふ、そう思いますよね。……あ、これも
言われた少女もそうやって、微笑を漏らしたものである。
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