7.強襲・中 ゠ 相対と猛撃の話
光量とぼしく、中を
そうして上方の
雨風くらいならば
たったこれだけの物を
だいいちこのように
リギシスの言うように、敵兵が詰めているとしたらこの建物の中、としか考えられない。
だがこの
ほかにそれが可能そうな場所も、郭内には思い当たらない。
規模からすれば、技術的にも動機的にも考えづらいが、あるいは地下でも掘ったか。
そして
そのように
「!」
──ヒョウ!
それを
つまりは、
そんな可能性くらいにしか、気が周っていなかったという事には、なる。
だからこれはこちらの油断、そう言われてしまえば
こちらの警戒の裏を
飛び掛かられる瞬間の、風切り音に感づくことが
言葉どおりの間一髪、というところだったのである。
「うおっ!」
リギシスもまた、上方からの襲撃を受けたらしい。
そちらもどうにか、
この目の前の者、は……?
光?
その小さき何者かの声が、
「
──ガギン!
言わせ
こういった場合には、相手に最後まで口上を語らせない、というのが
しかし、そんな
その
「キュラト様!」
「大丈夫ですよ。そちらも油断をしないでください」
私とギチギチ剣を合わせつつも、
背も高くない、と
一応その剣を、両の細腕にて
その長い髪からは、
それはまるで、
こんな事では、確かに奇襲を目的としなくとも、隠れているには注意の
しかし……。
いま、キュラト様……と呼ばれたか?
聴いたような名前である。
「お前、は」
「こんばんは、ご
「……」
「
「……」
「
「!」
──ズザアッ!
私は跳び
魔王……?
本物、なのだろうか。
だとすれば、どうしてこんな所へ、
「ぅあっ」
──ヒュイッ。
一瞬にして、距離を詰めたというのか。
「
そう短く言った少女からまた
──ガジン!
どうにか理力の剣で受け止めるが、はっきり言って重かった。
剣をもつ手が、かるく
これは本当に、尋常では
「はっ! やっ!」
「くっ!」
──キン! ガギン!
剣の
相手のくり出す剣撃は、信じられないほど多彩で、速い。
筋としては、技巧的に
むしろ、そこを
それでもその身を
あまりの多様さで
私はその
相手のその少女の得物は、
それを重さのほぼ無い、理力の剣を
考えられない。
強敵。
圧倒的技量差。
ここまで
しかもこれはどうやら、試されている、のだろうか。
自身の攻撃に対するこちらの反応を、よく確認するような感が
私が
……手加減されている。
そういう事だろうか。
しかしそこへ、怒りや悔しさを感じている
ただ
剣ならば負けない、という気概を持っていた、はずだった。
これは特定の技や
つまり攻撃のとき、相手の
そういう事を実現させる、知恵や
対応を許さないのだから、これに基づいて発動された攻撃は、たとえ見えていても防ぐことが
基本的に必中で、弱点を
ただしそれで優位に立てるのは、敵の攻め手の軌道外にいる場合に限られる。
まさに自分へ
そしてこの少女の場合、こちらへの剣撃が一向に途切れず、防勢から攻勢へ転じれないのである。
しかしこの相手に対しては、そこまで
面と
くり出される技をよく
ないしは痛撃により、
比較的お手軽な乱打によって、一撃必殺など発動させる余地を奪ってしまえば、事は済むのである。
だから私だってもちろん、奥義に
そういった修練にも、努めてきていたはずだった。
甘かった、足りなかったと言わざるを得ない。
残念ながら、こんな速度に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます