第13話:激務

「お茶」

「は、はい!!」

「足を揉んで」

「わ、わかりましたぁ!!」

「下手くそね。もういいわ。」

「ごめんなさいっ!!」


俺は何を見せられているのだろう。

さっきまで制服だった少女がいつの間にかメイド服を着せられ馬車馬の如く働かされている。


「あの、お嬢様…?」

「なに?」

「これは一体…」

「見て分からないかしら。新人教育よ。」


ひっでぇ!!

これがメイドの仕事!?奴隷の間違いだろ!?

それにお嬢様が見たこともないような満面の笑みを浮かべている!!むしろ狂気だ!!


「あなた、失礼なことを考えているでしょ。」

「い、いえ。滅相もございません。」

「そう、ならいいわ。」

「あの!さっきからこの欠陥品にだけ甘くないですか?」

「欠陥品…?」

「ヒッ!!ア、アルトさんにだけ甘くないですか?気のせいかアルトさんはさっきからそこで立って見てるだけなんですが…」


さん付けか、こいつには様をつけて貰いたいが…

それはお嬢様にだけでいいだろう。


「「執事とメイドの仕事は違うしなぁ…(ニヤッ)」」

「楽しんでますよね!?それも2人で!!」

「いいや?俺はお前の仕事の出来栄えをチェックしているだけさ。」

「私もよ。まぁ、個別に見ても総合的に見てもアルトの方が上だけれどね。」

あれ?名前で呼ばれた?何気にはじめてじゃね?

なんか嬉し。

まぁ俺もこれから激務なんだからこんなことしてる場合じゃないんだけどね(白目)


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