第12話:「「うるさい!!」」

「……ぐすん」

「落ち着いたか?」

「落ち着いた?」


……コクリ


「それでお嬢様、この子をここの使用人にするというのは……」

「まぁ、いいんじゃない?この子弱いし。なんの害もないでしょ。」

「うわぁn―」

「「黙れ、ほんとに殺すぞ。」」

「はい……」


さっきから何度も泣き声を聞いているが本当に耳に悪い。

頭に響くんだよ、こいつの声。



「テルです。白菊養成学校3学年次席。17歳。」

「次席…中途半端ってことね。」

「……ぐすん」


さっきから涙脆すぎない?


「次席なるのも大変だったんだもん…そこの出来損ないの欠陥品よりかはマシだもん。」

「……そうなの?」


ヒッ!!そんな怖い目でこっち見ないで!!


「……おr…私は実践はともかく座学、実技試験共に満点でしたので首席でしたよ。」

「なーんだ、あなた、出来損ないの欠陥品にもまえてるんじゃない。」

「……うわぁぁぁん!!!!」

「「だからうるさい!!」」


こいつ本当に雇ってもらうつもりはあるのか?

でもさっきからお嬢様の顔が怪しい……



それはまるで玩具を手に入れた子供みたいだ。

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